2026年02月21日

百人一首( 91 〜 92 )

91.  きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
       衣かたしき ひとりかも寝む

   (後京極摂政前太政大臣)

   こおろぎの鳴く、霜のおりる寒い夜、
   むしろの上に衣の片方の袖を敷いて、
   私はひとり寂しく寝るのであろうか。



92.  わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
       人こそ知らね かわく間もなし

   (二条院讃岐)

   私の袖は、引き潮の時にも海中に隠れて見えない
   沖の石のように、人は知らないだろうが、
   涙に濡れて乾く間もない。
posted by デュークNave at 17:40| Comment(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

百人一首( 89 〜 90 )

89.  玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
       忍ぶることの よわりもぞする

   (式子内親王)

   わが命よ、絶えてしまうのならば絶えてしまえ。
   このまま生きながらえているならば、
   堪え忍んでいる気持ちが弱くなって、
   外に表われ出てしまうといけないから。



90.  見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
       ぬれにぞぬれし 色はかはらず

   (殷富門院大輔)

   血の涙で変わってしまった私の袖を
   お見せしたいものです。松島の雄島の
   漁師の袖でさえ、波に洗われて濡れに濡れて
   しまいました。色は変わりませんのに。
posted by デュークNave at 15:47| Comment(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

百人一首( 87 〜 88 )

87.  村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に
       霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

   (寂蓮法師)

   降り過ぎていった村雨の露も
   まだ乾いていない真木の葉のあたりに、
   霧がほの白くわきあがってくる
   秋の夕暮れであるよ。



88.  難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ
       みをつくしてや 恋ひわたるべき

   (皇嘉門院別当)

   難波の入り江の芦の刈り根の一節ではないが、
   ただ一夜の仮寝のために、あの澪標のように
   身を尽くして恋い続けなければ
   ならないのでしょうか。
posted by デュークNave at 13:46| Comment(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

百人一首( 85 〜 86 )

85.  夜もすがら もの思ふころは 明けやらで
      閨のひまさへ つれなかりけり

   (俊恵法師)

   一晩中もの思いに沈んでいるこのごろは、
   夜がなかなか明けきれないで、
   つれない人ばかりか、寝室のすき間までが
   つれなく思われるのだった。

   


86.  嘆けとて 月やはものを 思はする
        かこち顔なる わが涙かな

   (西行法師)

   嘆けといって月が私にもの思いをさせるのか、
   いやそうではない。それなのに、
   月のせいだとばかりに言いがかりをつけるように、
   流れる私の涙であるよ。
posted by デュークNave at 04:43| Comment(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年02月20日

百人一首( 83 〜 84 )

83. 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
      山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる

   (皇太后宮大夫俊成)

   この世の中には、逃れる道はないものだ。
   いちずに思いつめて入った山の奥にも、
   悲しげに鳴く鹿の声が聞こえる。



84. ながらへば またこのごろや しのばれむ
      憂しとみし世ぞ 今は恋しき

   (藤原清輔朝臣)

   この先生き永らえるならば、
   つらいと感じているこのごろもまた、
   懐かしく思い出されることだろうか。
   つらいと思って過ごした昔の日々も、
   今では恋しく思われることだから。
posted by デュークNave at 04:28| Comment(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする