2016年10月30日

「野球神の見えざる手」を振り払い、日本ハム逆転優勝 〜日本シリーズ2016〜

先週このブログのアクセス数が、ある記事に集中した日があった。

「意外な外弁慶シリーズ」になった今年の最高決戦」
http://keep-alive.seesaa.net/article/235782520.html?1477772008

だ。2011年の日本シリーズ、ソフトバンクVS中日の対決。敵地でそれぞれ中日とソフトバンクが連勝と3連勝し、第6戦はまたアウェーで中日が勝ち、「最後まで外弁慶シリーズなのか」と思ったが、最終戦でソフトバンクが地力で中日を突き放し、8年ぶりの日本一に輝いた。


この時は外弁慶だったが、今年の日本シリーズは「内弁慶シリーズ」になった。マツダスタジアムで行われた初戦と第2戦は広島が快勝。札幌ドームでの3連戦は、いずれも接戦だったが日本ハムが3連勝。特に第3戦と第5戦はサヨナラゲームで、大逆転でペナントレースを制した日本ハムの勢いが、再び本拠地で発揮された感があった。


ここまでは「野球神の見えざる手」のお導きの通りのスリリングな展開。さてマツダスタジアムに戻った第6戦、内弁慶が続くのか日本ハムが一気に決めるのかが注目された。先発は広島がエース野村、日本ハムが増井。大谷で決めに来るかと思ったが、最終戦に温存した。野球神のお導き通りなら、第6戦は広島が勝ち、最終戦で引退を表明した黒田と大谷が投げ合うというのがもっともドラマチックな展開だ。

日本ハムの栗山監督は大相撲の千代の富士と貴乃花の例を挙げていたが(平成3年夏場所、大横綱千代の富士と新進気鋭の貴花田(当時)が初日で対戦し、貴花田が勝った。これが両者の最初で最後の対戦であり、千代の富士はこの場所途中で引退を表明。世代交代を強く印象付けた一番だった)、「あれ、ということは、栗山監督は第6戦は負けてもいいと考えてるのかな」といぶかった。まさかそんなことはないだろうが、大谷を投手・1番で起用するなど、ファンを喜ばせる演出が得意な栗山監督だから、「そんな展開になるのも面白いな」とは思っていただろう。


さてその第6戦、期待通りの大接戦になった。日本ハムが初回に先制すると、広島が2回に逆転。日本ハムが4回に再逆転すると、広島が5・6回に得点して追いつく。ここまではどちらに転ぶかわからない、手に汗握る展開。さて迎える終盤、野球神はどうやって広島を勝たせるように導くのかと思っていたのだが・・・。

8回表、思わぬシーンが待っていた。この回から登板のジャクソンが2死ランナーなしから思わぬ3連打を浴び、満塁のピンチ。打席には4番・中田。そしてその時、ネクストバッターズサークルに大谷が現れ、バットを振り始めた。これがジャクソンにプレッシャーを与えたのか、中田にストレートの四球を献上してしまう。痛恨の押し出しで再び日本ハムが勝ち越し。すると大谷は素知らぬ顔でダッグアウトに下がり、打席には投手のバースがそのまま入る。これは何とも痛快な栗山監督の演出だった。動揺が収まらないジャクソンはバースにもタイムリーを許して2点差。そしてとどめはレアード。シリーズ3本目のアーチは、グランドスラムとなって左中間スタンドに飛び込んだ。


最後の最後で、「野球神の見えざる手」を振り払うような怒涛の攻撃で、日本ハムが一気に決着をつけた。この勢いにはさすがの野球神も「参りました」と脱帽したか。日本ハムの10年ぶり3回目の日本一は素直に称賛したい。・・・ただ正直、最終戦で黒田−大谷の、まさに「千代の富士−貴花田」を思わせる「最後の新旧対決」、最高にドラマチックなシーンを見れなかったのが、「中立の野球ファン」としては何とも残念だ。観たかったな〜。


posted by デュークNave at 06:44| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月17日

リーグ優勝同士の「横綱対決」 〜ここにも感じる「野球神のお導き」〜

プロ野球・クライマックスシリーズ(CS)の第2ステージが終わり、リーグ優勝した広島と日本ハムが、「順当に」日本シリーズへの進出を決めた。広島は優勝した1991年以来25年ぶり、日本ハムは4年ぶりの頂上決戦である。


この第2ステージの経緯にも、「野球神のお導き」を感じる。セ・リーグは4勝1敗で広島が制したが、広島とDeNAの実力差、ペナントレースのゲーム差を考えると、内容的にも流れから見ても順当だったと思う。広島が連続完封で王手をかける。抑え込まれていたDeNAが、第3戦でお返しの零封勝ちで一矢を報いる。そして第4戦、初回に広島が大量6得点で大きくリードしたが、DeNAがしぶとく食い下がり、1点差まで詰め寄った。一気に持っていかれずに1勝を返し、大量失点にもめげずに粘り腰を見せる。DeNAにとっては来季につながる、まさに「いい負け方」だったと思う。

一方パ・リーグは、ペナントレースで最後までつば競り合いを演じた両リームが、ここでもせめぎ合いを見せた。互いに連勝を許さず、終わってみれば日本ハム3勝・ソフトバンク2勝。実力伯仲の両チームだけに、リーグ優勝で勝ち取った1勝のアドバンテージが大きくモノを言った。


両リーグとも、ペナントレースでの戦いぶりとその結果がそのままCSにも出た感がある。大差がついたセ・リーグは広島が先行してDeNAが最後に粘り、接戦だったパ・リーグはここでも最後までわからないきわどい戦いになった。ここに私は「野球神のお導き」を感じるのだ。「双方がその力を発揮し、実力者が勝ち上がり、頂上決戦を最高に盛り上げよ」との「見えざる手」が動いている気がするのだ。そしてそのお導きの通りに実力者が勝ち上がり、リーグ優勝同士の「横綱対決」となった。


さあ、今年のプロ野球・クライマックスはどんな決着になるのか。あとはじっと見つめるだけだ。

posted by デュークNave at 04:35| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月13日

野球神のお導きのなせる業? いい流れになっているCS

プロ野球はクライマックスシリーズ(CS)の第1ステージが終わり、昨日から第2ステージが始まった。初戦はともにリーグ優勝した広島と日本ハムが快勝し、1勝のアドバンテージを含めかなり有利な状況になった。きわめて個人的に言わせてもらうと、とてもいい流れになっていると思う。

第1ステージは、セ・パともにいい結果になった。パリーグは、最終盤まで日本ハムと優勝を争ったソフトバンクが連勝で勝ち上がった。敗れたロッテはペナントレースではほとんど優勝争いに絡んでおらず、いくら「下剋上」が得意といっても、こういうチームが短期決戦で勝ち上がって「パの代表」として日本シリーズに出るのは、私のような「中立の野球ファン」には納得がいかない。ロッテファンには申し訳ないが、今回はソフトバンクが勝ち上がるのが正しい流れだったと思う(ロッテが第1ステージで敗退するのは初めてだった。本当に短期決戦での下剋上が得意なチームなんだな)。

セリーグはDeNAが接戦を制して2勝1敗で巨人を破った。ペナントレース終盤のDeNAの勢いと巨人の失速(特に広島にマジックが点灯してからの巨人の連敗、マジック減らしにどんどん「協力」する姿は無残だった)からして、DeNAが勝ち上がった方が面白いと思っていたが、その通りになってくれたのはうれしかった。DeNAはこれまでセパ12球団で唯一CSに進出したことがなく、広島の25年ぶりの優勝に負けず劣らずの念願のCS進出だった。その選手たちの気持ちの高ぶりとファンの熱狂的な後押しで、見事に第1ステージを勝ち上がった(東京ドームの左半分が青一色に染まったあの光景はすばらしかった)。


さて、このいい流れを受けての第2ステージ。ここはやはり優勝チームがそのまま勝ち上がってくれた方がいい。セの広島は、2位以下に圧倒的な差をつけての優勝。「セの代表」にふさわしいのはやはり広島だろう。DeNAは、今シーズンはここまで来れてまずはよし、じゃないか。これで一気に日本シリーズというのはちょっと事がうまくいきすぎだろう。真の優勝争いは来季以降の楽しみとなった方が、流れとしては正しい。

パは、「大谷翔平を日本シリーズでも見たい」この1点で日ハムに勝ってほしい。昨日の第1戦でも好投したが、あの西武との優勝決定試合での快投といい昨日といい、大舞台に強い選手のようだ。二刀流にますます磨きをかける、何十年に一人のスーパースター。こういう選手は当然日本シリーズに出てくるべきだし、さらなる大舞台でさらなる大活躍を見せてほしい。これも「中立の野球ファン」の純なる願いだ。


ここまでの流れを見ると、「野球の神様の見えざる手」に導かれているような気がしてならない。我々野球ファンを最大限に楽しませてくれるために、野球神が粋な計らいをしてくれている、そんな気がするのだ。これが本当なら、日本シリーズは広島VS日本ハムの優勝チーム同士の対決になるが、たぶんそうなるだろう。何せ野球神のお導きがあるんだから。


では、優勝チーム同士の頂上決戦が実現するまでを、じっくりと見つめるとしよう。


posted by デュークNave at 04:56| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月21日

最後にモノを言ったのは総合力 : ソフトバンク、8年ぶりの日本一 〜日本シリーズ2011 Vol. 3〜

「外弁慶シリーズ」の流れのままに中日が逆転優勝するのか、ホームゲームを初めて制してソフトバンクが8年ぶりの日本一(ソフトバンクとしては初めて)に輝くのか。ソフトバンク圧倒的有利の下馬評だった今年の日本シリーズは、中日が持ち前の投手力と粘り強さを発揮し、最終戦までもつれ込みました。

まずはソフトバンクが王手をかけて迎えた第6戦。後がない中日は、ソフトバンクの先発・和田の立ち上がりを攻めます。先頭の荒木がヒットで出塁、井端の送りバントで1死2塁。森野は倒れますが、ブランコが四球を選んで2死1・2塁。ここで第1戦で和田から同点ホームランを放ち、相性のいい5番・和田が、右中間にタイムリー3塁打! 2者が生還し、シリーズを通じて貧打に苦しんでいた中日が、いきなり2点を先制します。

この場面、まずブランコに与えた四球が痛かったですね。ブランコは和田の速球にタイミングが合っておらず、速球勝負で行けば討ち取っていた可能性が高かったと思います。しかし和田−細川のバッテリーは、追い込んでから変化球勝負に出ました。これが外れてフルカウントになり、最後に速球を投じましたが、わずかに外れてしまいました。「追い込んだ時に速球で勝負しなかった」これが第一の失敗です。

第二の失敗は、次の和田にも追い込んでから変化球勝負で行ったことです。
和田も速球にバットが合っておらず、相性が悪いとはいえ速球なら抑えていたのではないかと思います。
変化球で行くにしても、ストライクからボールになる球で振らせるべきでしたが、フォークが甘く入って痛打を浴びてしまいました。このわずかなアヤが明暗を分け、中日にノドから手が出るほどほしかった先制点をもたらしました。

2点の援護をもらった中日の先発・吉見は、最多勝(18勝)・防御率1位・勝率1位投手にふさわしい快投を演じます。スピードはさほどありませんが、速球・変化球をコントロールよくコーナーに配し、ソフトバンクの強力打線に的を絞らせません。4回に本多の3塁打と内川のタイムリーで1点を失いますが、その後もペースを乱さずに投げ続け、8回2死まで4安打1失点に抑えます。このあとを岩瀬・浅尾の磐石のリリーフ陣で締めてリードを守り抜き、中日が3勝3敗のタイに追いついて逆王手をかけました。

この第6戦は、ソフトバンクが1回に2点を先制し、中日の反撃を1点に抑えて逃げ切った第4戦を、チームを逆にしたような試合展開でした。力のある先発投手がしっかりと試合を作り、安定感抜群のリリーフ陣につなぐ。これは両チームに共通の勝ちパターンですね。

こうして迎えた最終決戦。ソフトバンクはもう一人のエース左腕・杉内、中日は第4戦で2イニングを好投した山井が先発です。第3戦以降、初回に先制したチームがそのまま逃げ切る展開が続いており、両投手の立ち上がりが注目されました。杉内はストライクが先行し、3者凡退のまったく無難なスタート。一方の山井も、1死から本多にヒットを許しますが、盗塁を谷繁が刺し、結局こちらも3人で抑えます。

こうして静かに始まった最終戦でしたが、3回裏、ソフトバンクに大きなチャンスが訪れます。この回先頭の多村が、1塁手の後方にポトリと落ちる内野安打で出塁。続く長谷川は送りバントかと思いきや、初球をフルスイング。打球は右中間に大きく伸び、センター・大島のグラブを弾きます。前日の第6戦、1点ビハインドで迎えた8回裏、無死1塁で長谷川が送りバントを失敗して併殺を喫したのが秋山監督も気になっていたのでしょうか。強攻策が功を奏し、ソフトバンクが無死2・3塁の絶好の先制機を迎えます。

続く山崎はバントの構えで山井をけん制してストレートの四球を選び、無死満塁とチャンスが広がります。ここで落合監督は山井から左腕・小林正にスイッチします。短期決戦ゆえの早めの交代でしたが、小林正は川崎に痛恨の押し出し四球を献上してしまいます。1点が非常に重いこのシリーズ、大事な最終戦の先制点は、思わぬ形でソフトバンクにもたらされました。

なおも無死満塁。ここで追加点が入ると、試合の流れは一気にソフトバンクに傾きます。しかし小林は続く本多を討ち取り、さらにネルソンにスイッチ。先発して敗戦投手になった第3戦同様、ややコントロールが不安定でしたが、内川・小久保がボール球に手を出して凡退。中日が最小失点でこの大ピンチを切り抜けます。

これ以上ないチャンスに主軸が凡退し、流れをものにできなかったソフトバンクにとってはいやなムードでした。しかし杉内はまったく意に介さず、その後も好投を続けます。常にストライクを先行させ、6回まで2安打、毎回の7奪三振。中日に2塁も踏ませません。そして打線も続く4回、2死2塁から長谷川敬遠で迎えた1・2塁の追加点のチャンスに、9番・山崎がライト前に快打。2走・松中が激走、谷繁のタッチをかわす巧妙なスライディングで貴重な2点目を挙げます。

対する中日はようやく7回、2死1・2塁のチャンスをつかみます。長打が出れば同点の場面でしたが、杉内が渾身の投球で藤井を三振に討ち取ります。その裏ソフトバンクは、2死2塁から内川が、この回から登板した若きリリーフエース・浅尾からセンター前にタイムリーを放ち、ダメ押しの3点目を挙げます。ソフトバンクの強力リリーフ陣と「打てない」中日打線を考えると、残り2イニングで3点差は決定的でした。

8回からはファルケンボーグが登板。第4戦までと同様、角度のある剛速球とフォークボールで3者三振に斬って取ります。そして最終回のマウンドにも、これも第4戦と同様にファルケンボーグが立ちます。中日打線にはまったく打てそうな気配がなく、「これで完全に決まりだな」と誰もが思いました。

ところがこの土壇場で、思わぬアクシデントがファルケンボーグを襲います。この回先頭の井端が速球をジャストミート、打球はファルケンボーグの右ひじを直撃します。内野安打で井端が出塁、しかもファルケンボーグは治療のため降板を余儀なくされます。

しかしこの緊急事態でも、ソフトバンクのリリーフ陣は磐石でした。急遽登板した森福が森野・ブランコを討ち取り、最後の一人・和田で今度は攝津にスイッチ。攝津は和田を三振に仕留め、クライマックスシリーズ導入以来、7年のうち6度進出しながらすべて敗退していたソフトバンクが、8年ぶりに出場した日本シリーズを激戦の末に制し、ついに念願の日本一に輝きました。

両者の勝敗を分けたもの:これは結局総合力の差だと思います。ソフトバンクは和田・杉内の両左腕にホールトン、攝津の「4本柱」が安定した投球を見せ、加えて第5戦ではシリーズ初登板の山田が6回を無失点で抑えるなど、層の厚さを見せつけました。片や中日は、吉見・チェンは安定していたものの、ネルソン、川井、山井らは長いイニングを投げるにはやや不安定でした。

攻撃陣は、ソフトバンクは川崎、小久保が好調を維持し、内川、多村、細川、山崎らが大事なところで殊勲打を放ち、日替わりのヒーローが誕生しました。一方中日は、荒木や和田は比較的よく打ったものの、井端、森野、ブランコ、谷繁らはシリーズを通して不調で、打線につながりがありませんでした(結局谷繁は、シリーズ通算23打数ノーヒットというワースト新記録を作ってしまいました)。

シリーズを振り返ってみると、第1・2戦はともに先発投手が実力通りに好投しましたが、クローザーの馬原が打たれるという誤算が中日に連勝をもたらしました。しかし第3戦以降は、ソフトバンクの先発陣がしっかりと長いイニングを投げ抜き、後を引き継いだリリーフ陣も自分の役割をきっちりと果たしました(第4戦での「森福の11球」とファルケンボーグの「配置転換」は印象的でした)。一方の中日は、貧打線が追いつけないうちに先発やリリーフが追加点を与え、持ち前の粘りを発揮できませんでした。第6戦こそ勝ちパターンをものにできましたが、最終戦はやはり不安定な先発が早い回につかまり、リリーフも打たれて突き放されてしまいました。

投手陣の層の厚さと打線の破壊力。双方とも上回るソフトバンクが、最後に地力を見せて中日を押し切りました。しかし圧倒的不利といわれた中日の、敵地での連続の延長戦を制し、王手をかけられてもはね返し、最終戦までもつれ込ませた粘り強い戦いぶりは、セ・リーグの王者にふさわしいものでした。

いや〜、メジャーも面白いけど、日本のプロ野球もやっぱり面白い!


posted by デュークNave at 10:54| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月18日

意外な「外弁慶シリーズ」になった今年の最高舞台決戦 〜日本シリーズ2011 Vol. 2〜

敵地での中日の連勝で、一気にナゴヤドームで決着がつくかと思われた今年の日本シリーズは、アウェーのソフトバンクが3連勝、王手をかけてホーム・福岡に舞台が移ることになりました。

(Vol. 1で「落合監督に最後の花道をという空気を感じる」と書きましたが、思ったほど大きな空気ではなかったんでしょうか? ちょっと読み間違えたかな 苦笑)

こんな「外弁慶シリーズ」になったのは、2000年の巨人−ダイエー(当時)以来です。この時はホームの東京ドームで連敗した巨人が敵地・福岡ドームで3連勝し、この勢いのままホームでの第6戦も制して日本一の栄冠に輝いています。この「2000年パターン」でソフトバンクが押し切るのか、「外弁慶シリーズ」が最後まで続いて中日が逆転優勝を果たすのか。週末の決戦に大注目です。

ナゴヤドームでの3連戦を振り返ると、まず大きかったのが、いずれも1回表にソフトバンクが先制していることです。第1・2戦では序盤はスコアレスのまま膠着状態が続き、これは打力に劣る中日のペースといえました。しかしこの3戦は初回に得点したことでソフトバンクが主導権を握り、チーム打率が12球団最低の「打てない」中日にとっては苦しい展開になりました。そしてその後は、第3戦は多村の2ランで突き放され、第4戦は1点差まで迫りながら森福の好リリーフなどで逃げ切られ、第5戦は先発・山田を打ちあぐんでいるうちに中押し・ダメ押しを浴び、結局中日は3戦とも同点に追いつくことができませんでした。

もう1つは、リリーフ陣の活躍です。最初の2戦でクローザーの馬原が連続で決勝打を浴びて敗れ、秋山監督は「配置転換」に踏み切りました。

○ 第3戦 : 先発・摂津のあとを金澤・森福とつなぎ、2点差で迎えた最終回は馬原ではなく、第1・2戦で好投したファルケンボーグを起用。球威で押して中日打線を抑え込み、反撃の1勝を挙げます。

○ 第4戦 : 1点差で迎えた6回裏、先発のホールトンが招いた無死満塁の大ピンチを、リリーフの左腕・森福が、3人続いた中日の右打者を完璧に抑えます(この「森福の11球」は、シリーズ史上に残る快投でしたね)。7回も森福が抑えたあと、8回からはファルケンボーグが登板しますが、秋山監督は9回も彼に任せます。シーズン中にもなかったイニングをまたいでの起用でしたが、ファルケンボーグは気迫のピッチングで1人の走者も許さず、ソフトバンクが2勝2敗のタイに持ち込みます。

○ 第5戦 : 育成枠から這い上がったシリーズ初先発の山田が6回を3安打無四球という落ち着いた投球を見せると、7回には第3戦で先発して7イニングを好投した摂津が、中1日で「去年までの本職」セットアッパーで登場、きっちり役目を果たします。ダメ押しの3点が入った8回は前日のヒーロー・森福がしっかり抑え、5点差で迎えた最終回は馬原。この日はファルケンボーグがベンチ入りしておらず(初戦から4戦連続で登板、前日は経験のない2イニングを投げています)、必然的に馬原がクローザーに起用されるラインアップでした。連続で痛打を浴びた後遺症が懸念されましたが、5点差の余裕もあってか、1安打を許したものの無失点で切り抜けます。このシリーズでリリーフ陣では唯一の不安材料であり、なおかつ「勝利の方程式」には不可欠の存在である馬原が、プレッシャーがあまりかからない場面だったとはいえしっかり抑えたことは、本人はもちろんチームにとっても大きいでしょう。

一方攻撃面でも、第1・2戦で湿っていた、12球団一のチーム打率を誇る打線に火がつき始めているのが大きいですね。第1・2戦でほとんど「扇風機」だった多村は、第3戦で2ランを放ってからバットが目を覚まし、史上2人目の両リーグ首位打者に輝いた内川にも当たりが出始めています。これに好調を維持している斬り込み隊長・川崎、2戦連続先制タイムリーの小久保、シュアなバッティングを見せる松田・長谷川、「意外性」の細川(第5戦のTV中継で、解説の野村克也氏に「二流のバッター」とボロクソに言われていましたが、第3戦でダメ押しのソロホーマー、第5戦では貴重な2点目のタイムリーと、大事なところでいい仕事をしています)、俊足巧打の本多と、大技・小技を交えたバランスのよい打線が本領を発揮し始めています。

これを中日が押し返すには、まず投手陣が踏ん張って主導権を与えず、少ないチャンスを生かしてリードを保ち、浅尾・岩瀬の磐石のリリーフ陣につなぐという、レギュラーシーズンのような「勝ちパターン」に持ち込むしかないでしょう。ナゴヤドームでの3連敗は、初回にエラー絡みで失点したのが大きな敗因になりました。まず序盤を抑えて、第1・2戦のような、膠着状態の続くロースコアの接戦に持ち込むことが、中日逆転優勝へのカギになると思います。

さて、ソフトバンクの3勝2敗で迎える福岡決戦。「野球の神のみぞ知る」結末をゆるりと見つめましょう。


posted by デュークNave at 10:55| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする