2021年01月17日

「根無し草人生」を支え、生き永らえさせてくれた「我が大好物たち」(2)スポーツ:競馬

【 競馬 】

 競馬をギャンブルとして観る人は多いと思う。私もかつては「即PAT」でさかんに馬券を買っていたことがあったが、かなりヤラれて撤退した。600万超の大借金の一部はこのせいかもしれない(苦笑)。

 今の私は、競馬を「観るスポーツ」「人馬が織りなすロマンあふれる世界」として観ている。競馬場に行けばわかるが、サラブレッドの姿自体がきれいだし(パドックで間近に見ると、毛並みの美しさがよくわかる)、鞍上の騎手の勝負服もカラフルだ。そして競馬場に入ると、眼前に広がる、緑に輝くターフ。これを見ただけでも「ああ、来てよかったな」と思う。競馬場には、ギャンブルというよりピクニック気分で出かける方が楽しいのではないだろうか。女性同伴、または女性同士の場合は特にそうだろう。

 現場に行かなくとも、テレビ観戦でも競馬は十分に楽しめる。何より、名馬と名騎手による名勝負がエキサイティングだし、楽しい。過去あまたのレースで記憶に残る名勝負が繰り広げられてきたが、ここで我が独断と偏見で、「私が選ぶ『中央競馬ベストレース10』」と「私が選ぶ『名馬ベスト13・名牝ベスト10』」をランキングしてみよう。


< 私が選ぶ「中央競馬ベストレース10」 >

〇第10位:エアグルーヴ、15頭の牡馬を蹴散らす/1997年・天皇賞(秋)

〇第9位:ダンスインザダークのターボエンジン/1996年・菊花賞

〇第8位:ナリタブライアンマヤノトップガン、直線での壮絶な叩き合い/1996年・阪神大賞典

〇第7位:ウオッカVSダイワスカーレットの女傑対決・2p差の決着/2008年・天皇賞(秋)

〇第6位:掲示板の5頭がハナ・ハナ・クビ・クビ決着:トゥザヴィクトリー、念願のGT制覇/2001年・エリザベス女王杯

〇第5位:スペシャルウィーク・武豊の秘策:乾坤一擲の直線勝負/1999年・天皇賞(秋)

〇第4位:マヤノトップガン、大外からの豪快な追い込み/1997年・天皇賞(春)

〇第3位:グラスワンダー・スペシャルウィークの首の上げ下げ決着/1999年・有馬記念

〇第2位:サイレンススズカ、芸術的大逃げ/1998年・金鯱賞

〇第1位:テンポイント・トウショウボーイのマッチレース/1977年・有馬記念



 第1位に挙げた1977年・有馬記念は、スタートからゴールまで、他の馬は眼中にないかのようなこの2頭のマッチレース。最後の直線で、「TTG」のもう1頭、グリーングラスが競りかけてきた時、「競馬の神様」故・大川慶次郎さんは、「武士の情けだ、グリーングラス!」と叫んだ。私は「有馬記念では、これ以上の名勝負は未来永劫観ることはできないだろう」と確信している。


< 私が選ぶ「名馬ベスト13」 >
(ベスト10にしたかったが、消しきれなかった)

〇第13位:ステイゴールド    〇第12位:ミスターシービー

〇第11位:テンポイント     〇第10位:タイキシャトル

〇第9位: オルフェーブル    〇第8位:マヤノトップガン

〇第7位: スペシャルウィーク  〇第6位:ナリタブライアン

〇第5位: ディープインパクト  〇第4位:シンザン

〇第3位:テイエムオペラオー   〇第2位:シンボリルドルフ

〇第1位:サイレンススズカ



 なぜGT1勝のみのサイレンススズカが第1位なのか。このブログの「スポーツ−全般」カテゴリーの「『れば・たら』を許してほしいといまだに思っている、スポーツの2つの事件」(2010年12月23日)の後半部分をお読みいただければ、その理由、「サイレンススズカへの我が熱き想い」がご理解いただけると思う。


< 私が選ぶ「名牝ベスト10」 >

〇第10位:ホクトベガ      〇第9位: トゥザヴィクトリー

〇第8位:アパパネ       〇第7位: ヒシアマゾン

〇第6位:エアグルーヴ     〇第5位: ダイワスカーレット

〇第4位:ウオッカ       〇第3位:ブエナビスタ

〇第2位:ジェンティルドンナ  〇第1位:アーモンドアイ



 いずれ劣らぬ名牝ぞろいで、順位付けに苦労した。ただこの中でもアーモンドアイの第1位は当然だろう。牡馬・牝馬併せて史上最多のGT9勝、最高獲得賞金。牝馬3冠に加え、2018ジャパンカップでの驚異的なレコードタイム、ドバイターフでの鮮やかな勝利、そして2020秋天・JCで有終の美を飾った。文句なしの「我が女王」の座である。

 競馬はこれからも名馬・名牝が現われ、名騎手を鞍上に、あまたの名勝負が繰り広げられていくだろう。私はそれをしかと見つめ、積み上げられていく競馬の歴史、人馬が創り上げるロマンの世界を楽しみ、味わい、見守り続けたい。

posted by デュークNave at 04:30| Comment(0) | スポーツ-競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月02日

2020年は日本競馬界最高の”Memorial Year”!

2020年、令和2年という年は、競馬界、そして競馬ファンにとって永遠に忘れがたい年になった。史上初の無敗の三冠牝馬、史上初&世界初の父子での無敗三冠、そして史上初のGT8勝馬の誕生。こんな大快挙が3週連続で達成されたのだ。

今年の競馬界は、コロナ禍による無観客開催が続き、場内は盛り上がりに欠けていた。しかしターフでは、その静寂を吹き飛ばすような熱きドラマが繰り広げられた。

10月18日(日)、第25回秋華賞。春の2冠を制したデアリングタクトは断然の1番人気に支持された。しかし京都の内回りコースは直線が短く、馬群にもまれると波乱も起こりうる。だが鞍上の松山弘平騎手は2冠馬を中団の外目を折り合って進め、4コーナーでも前を塞がれることなくスムーズに進出。最後は実力通りに押し切ってみせた。まさに横綱相撲の完勝である。

1986年メジロラモーヌ、2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナ、そして2018年アーモンドアイと、過去に三冠牝馬は5頭いるが、無敗で達成したのは史上初である。

10月25日(日)、第81回菊花賞。父ディープインパクトに続く無敗の三冠がかかるコントレイルは、圧倒的な1番人気。鞍上の福永祐一騎手はレース前、「3000mはこの馬にはちょっと長いが、能力で押し切ってくれると思う」と語った。観る側もその距離適性がどうか、最後の直線で失速しないかが気がかりだった。

道中、コントレイルは中団の内を進む。3コーナーから4コーナーではやや外目に持ち出し、直線を向くと早くも先頭。ここから後続を一気に突き放すかと思えたが、すぐ外を追走してきたアリストテレスがコントレイルに競りかける。最後の200m、激しい叩き合いになったが、福永騎手がレース後に語った「絶対に抜かせない勝負根性」で差しを許さず、そのまま押し切った。

三冠馬は1941年セントライト、1964年シンザン、1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフ、1994年ナリタブライアン、2005年ディープインパクト、2011年オルフェーヴルに次ぐ8頭目。無敗の三冠馬はシンボリルドルフ、ディープインパクトに次ぐ3頭目だが、父子での無敗三冠達成は、日本初のみならず、世界初の快挙である。

同じ年に牝馬と牡馬ともに三冠馬が誕生するのも史上初だが、ともに無敗というのはとてつもない大快挙だ。この2つだけでも2020年は、競馬史に永久に刻まれる年になった。

しかし、今年の「史上初」のドラマはここで終わらない。もう1つの史上初が、この1週間後に達成されたのだ。しかも、達成したのが牝馬というのがまたすごい。

11月1日(日)、天皇賞(秋)。ここまでGT7勝を挙げている現役最強馬・アーモンドアイが、史上初のGT8勝なるかが注目された。

ここまでのアーモンドアイのGT勝ち鞍は、牝馬三冠、ジャパンカップ、ドバイターフ、天皇賞(秋)、そしてヴィクトリアマイルである。牡馬相手でも3勝、3歳時のJCでは、2分20秒6という驚異の世界レコードで快勝している。府中の長い直線はこの馬には最良の条件だが、秋天はスタート直後に左に回るため、ゲートの出が悪いと後方からの競馬を余儀なくされる。これが最大の懸念材料だった。

しかしアーモンドアイは、ゲートをきれいに出てすんなり中団の外につけたため、まずこの懸念材料は消えた。そのままじっくり脚をためて直線に向く。残り200mでルメール騎手がステッキを入れると、両前脚を大きく掻き出して爆発的に加速、一気に先頭に出る。後方からフィエールマンクロノジェネシスのGT馬が猛然と追い込んできたが、1/2馬身抑えて逃げ切った。中央競馬GT8勝という史上初の金字塔が、ついに達成されたのである。

これまでの中央競馬GT7勝は、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラックの6頭。いずれ劣らぬ名馬揃いだ。このうちウオッカとジェンティルドンナは牝馬だが、ウオッカはダービー、安田記念(2勝)、秋天、JC、ジェンティルドンナはJC(2勝)、ドバイシーマクラシック、有馬記念と、牡馬の一線級相手のレースでも見事な勝ち鞍を上げている。しかしアーモンドアイもこの日の勝利で牡馬相手のGTで4勝目を挙げ、まったく遜色がない。

残るは恐らくあと1戦。デアリングタクトが出走を表明しているJCか、まだ未勝利の有馬記念か。コントレイルはどちらに出走してくるのか。この「史上初」トリオのこれからの動向を、我々競馬ファンは刮目して見つめよう。


posted by デュークNave at 00:18| Comment(0) | スポーツ-競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月17日

“いいものを見せてもらった” 〜アーモンドアイ、史上最多タイのGT7勝〜

 レース終了後、しばらく余韻に浸っていた。受けた感慨がなかなか収まらない。競馬でこんな思いを味わったのはいつ以来だろう。

 現役最強馬・アーモンドアイが日本のターフに帰ってきた。3月に出走予定だったドバイがコロナウイルスの影響で中止となり、去年暮れの有馬記念以来、ほぼ半年ぶりのレースとなった。ブランクによる馬体重増が気になったが、前走から±0。懸念材料が1つ減った。

国内外の牡馬相手でも互角以上の戦いを繰り広げてきたアーモンドアイ。GTとはいえ、牝馬限定のマイル戦・ヴィクトリアマイル。これまでの実績と相手関係を考えれば、死角はないと思われた(単勝オッズは断然1番人気の1.4倍)。

TV解説の競馬エイト・松本ヒロシ氏も「東京コースでは規格外の脚力を見せつけてきた馬なので、牝馬限定なら相手に恵まれている」と、アーモンドアイの圧勝を予想していた。確かにそうだが、府中でのマイル戦というと、昨年の安田記念。スタートで出遅れて前をふさがれ、上がり3ハロンを32秒4で猛追したが届かず3着、という苦い記憶がある。スタートでまたしくじれば波乱の要素はあった。

そのスタート、今度はきれいにゲートを出て、中団やや前、外目の5〜6番手を進む。これなら前をふさがれることはない。馬なりで4番手まで進出し、府中の長い直線に出る。前を行く3頭は鞍上が激しく追い始め、ステッキを入れるが、アーモンドアイ鞍上のC・ルメールは持ったまま、さほど追うこともなくスルスルと3頭をかわす。先頭に立ってからもルメールはほとんど持ったまま、後ろを見る余裕。結局一度もステッキを入れずに、後続を4馬身ちぎっての大楽勝のゴール。タイムは1分30秒6、レコードにコンマ1秒。もしルメールが本気で追っていたら、とんでもないレコードタイムをたたき出していただろう。ゴール板を過ぎたあと、ルメールはガッツポーズも何もせずに平然としている。馬も息を切らさず、涼しい顔だ。人馬ともに「勝って当然」、貫禄のGT勝利だった。

これでアーモンドアイは国内外GT通算7勝目。シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラックと並ぶ、史上最多タイ記録となった。牝馬なので今年が最後の年になるのではないかと思うが、レジェンドたちの記録を破る「GT8勝」のチャンスは十分に残っている。宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念。もうこうなると、「いつ新記録を達成するのか」、ほぼ時間の問題なんじゃないかと思ってしまう。「平成〜令和の女傑」から「史上最強馬」へ、アーモンドアイがいつその階段を昇るのか。今年の残りのシーズンは、多くの競馬ファンの注目がその1点に集中することになるだろう。

それにしてもすばらしいレースだった。1998年にサイレンススズカが金鯱賞で見せてくれた「芸術的大逃げ・圧勝」を観た時と同じような感慨を、このレースでも味わった。一幅の芸術作品を見るような、見事すぎる、すごすぎる、美しく感動的な勝利。ルメール騎手とアーモンドアイにかける言葉は、「いいものを見せてくれてありがとう」この一言に尽きるな。

posted by デュークNave at 18:06| Comment(0) | スポーツ-競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月23日

我が独断で選ぶ”武豊 Best 7 Victories”

私の最も信頼するスポーツ専門誌“Number”の最新号(913号)は、前人未到の4,000勝を達成した、日本競馬界が世界に誇るNo.1ジョッキー・武豊を大特集。本人へのロングインタビュー、名勝負の数々、騎手人生30年を綴った年表・記録、国内外の騎手たちのコメントなど、さすがNumber、盛りだくさんのラインナップだ。

武豊はこれまで数々の名馬に騎乗し、数多の名勝負を見せてくれたが(私もその多くをリアルタイムで目撃した)、この中から私の独断で「武豊 ベスト7勝利」を選んだ。(普通は「ベスト5」だろうが、「武豊の名勝負」をたった5つに絞るなど不可能なのだ。7つでも相当に迷ったけど)これは世の競馬ファン諸氏とはかなり違うランキングになると思うが、あくまで私個人の思い入れで選んだものなのでご了承のほどを。


【 No.7:1989年・天皇賞(春)/イナリワン 】

道中は中断待機、最後の直線でスルスルと抜け出して快勝。実況の杉本清アナ「また武豊だ!」と叫んだ。関西担当の杉本アナがこのレースの前に京都競馬場で実況したGTは、前年の菊花賞。この時もスーパークリークに騎乗した武豊が、直線で鮮やかに抜け出してGT初勝利を飾っているのだ。武豊はこの勝利から4年連続で天皇賞(春)を制し(1989年イナリワン〜1990年スーパークリーク〜1991・1992年メジロマックイーン)、「平成の盾男」と呼ばれることになる。


【 No.6:1988年・菊花賞/スーパークリーク 】

武豊の記念すべきGT初勝利。最後の直線、わずかに空いた内を機敏に突き、鋭く末脚を伸ばす。そのまま後続に影も踏ませず、5馬身差の圧勝。長距離得意の血統を生かし、クラシックの最後の1冠をものにした。直線で内に鋭く切り込んだ武豊の好判断が強く印象に残るレースだ。


【 No.5:1990年・有馬記念/オグリキャップ 】

今や伝説と化したアイドルホース・オグリキャップのラストラン。秋のGT戦線で天皇賞(秋)6着・ジャパンカップ11着と沈み、「もうオグリは終わった」とささやかれていた(実際このレースでは、ファン投票では1位だがオッズでは4番人気だった)。しかしそんな風評を吹き飛ばすように最後の直線で先頭に躍り出し、メジロライアンの追撃をかわして有終の美を飾った(メジロライアンびいきの競馬評論家・大川慶次郎氏の、直線での「ライアン!」の叫びもまた伝説化している)


【 No.4:1998年・日本ダービー/スペシャルウィーク 】

10度目の挑戦で悲願のダービー制覇。本命と目された皐月賞では大外枠の不利で届かず3着。続くダービーではまさに「大本命」だったが、直線で馬場の真ん中に躍り出ると一気に加速、そのまま後続を5馬身ちぎって圧勝。それまでのダービー9連敗のうっ憤を晴らす快勝だった。


【 No.3:1999年・天皇賞(秋)/スペシャルウィーク 】

前哨戦の京都大賞典でまさかの7着。これが響いてか、オッズを4番人気に下げていた。ここで武豊が取った秘策は、乾坤一擲の直線勝負。最終4コーナーまでじっと後方に待機し、直線で大外に持ち出し、ここからロングスパート。前を行く馬を次々に抜き去り、ゴール前で計ったかのようにきっちりと差し切った。目にも鮮やかな大外からの豪快な追い込みだった。


【 No.2:1996年・菊花賞/ダンスインザダーク 】

ダービーでは大本命になりながら、ゴール直前で伏兵・フサイチコンコルドに足をすくわれた。何としても勝ち取りたいクラシック最後の1冠。しかし道中は後方を強いられ、最後の直線を向いた時はいまだ10番手。しかしここから内を突いて前方に進出、前が空くとまるでターボエンジンのような爆発的な加速でフサイチコンコルドを抜き去り、ダービーのリベンジを見事に果たした。この時のラスト100mのすさまじい追い込みは、いまだに目に焼きついて離れない。


【 No.1:1998年・金鯱賞/サイレンススズカ 】

このレースだけGUなのだが、観る者に与えたインパクトの大きさはナンバーワンにふさわしい。スタートから風を切って先頭を走り、後続には目もくれず、はるか前方を気持ちよさそうに一人旅。直線を向くとさらに二の脚を伸ばし、武豊はステッキ一つ入れずに余裕のガッツポーズ。まさに「後ろからはな〜んにも来ない」(1975年桜花賞・テスコガビーの大逃げを見た杉本清アナの伝説の実況)状態で、レコードタイムでの圧勝。競馬評論家の須田鷹雄氏「競馬以外の何かを観ているようだった」と述懐した、「美しき芸術作品」。この年の天皇賞(秋)でサイレンススズカが無事にレースを終えていれば、どれだけ後続を引き離し、どんなすさまじいレコードタイムを叩き出していただろう・・・この思いは、いまだに私の胸をよぎる。


この他にも、1997年の天皇賞(秋)・エアグルーヴで牝馬17年ぶりの天皇賞勝利や、2008年の天皇賞(秋)・ダイワスカーレットとの「女帝対決」を制したウオッカでの勝利、敗れはしたものの1999年の有馬記念・グラスワンダーとの「首の上げ下げ決着」となったスペシャルウイークなど、数え上げればきりがない。


2009年以降は、度重なる故障もあってリーディングジョッキーの座を他の騎手に明け渡しているが、「日本のナンバーワンジョッキーはやはり武豊」これに異論のある人はほとんどいないだろう。日本競馬界にあって武豊の名は永久に不滅であり、永遠にその輝きが失われることはないのだ。


P.S. 菊花賞サトノダイヤモンドディーマジェスティの一騎打ちの様相の中、武豊騎乗のエアスピネルが3着に食い込んだ(1着サトノダイヤモンド、ディーマジェスティは4着)。春は皐月賞・ダービーとも4着、ブロコレ俱楽部にも入れない?イマイチ君だった。この菊花賞でも6番人気。しかし鞍上の武豊は、中団から後方待機と思われたこの馬を3・4番手で行かせ、途中掛かり気味になったところも巧みに落ち着かせ、内で脚をためる。そして最後の直線、最内を突いて末脚を伸ばした。2着レインボーラインにハナ差かわされたが、下馬評を覆す好走といっていいだろう。

Numberの特集号を読んだあとだったので、他の馬には目もくれず武豊とエアスピネルだけにフォーカスして観ていたが、さすがうまいな、と思った。好スタートを切っての好位キープ、道中の落ち着かせ方、直線での進路、そして最後の仕掛け。末脚の瞬発力で優勝馬の後塵を拝したが、この馬の力は十分に出せたと思う。


posted by デュークNave at 10:25| Comment(0) | スポーツ-競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月04日

こんな競馬の楽しみ方もある 〜「馬なり1ハロン劇場」のススメ〜

私は「馬券はめったに買わないがレースはよく観る」という、JRAにとっては全くありがたくない競馬ファンである。なぜ買わないかといえば、かつてかなりつぎ込んで散々な目にあったということもあるが、一番大きな理由は、なまじ馬券を買ってしまうと「当たる・当たらない」に意識が集中してしまい、好きな馬を純粋に応援できなくなるからだ。

ただ、かつてかなりリキを入れて応援していたテイエムオペラオーのラストラン(2001年有馬記念)の時は、単勝馬券1万円を買い込んだ。これはその前の2戦(天皇賞・秋とジャパンカップ)の連続2着で、最終コーナーの行きっぷりが悪くなっているのを見て「これは有馬は勝てそうにないな」と思い、外れるのがわかっていての「ラストランの記念馬券」として買ったのだ)

じゃあ馬券も買わないで何が楽しくて競馬を観るのかというと、純粋に「観るスポーツ」としての面白さと、「人馬が織りなすロマンあふれる世界」として競馬を眺め、見つめているのだ。言い換えれば「勝負事としての面白さ」と、登場する人馬の人生模様(馬生模様?)やそのストーリー展開を楽しんでいるのである。

「登場する人馬の人生模様(馬生模様?)やそのストーリー展開を楽しむ」。これにフィクションを巧みに織り交ぜて競馬の世界をコミカルに描いているのが、このサイトでも「マンガ名作選 Vol.5」としてご紹介している「馬なり1ハロン劇場」だ(作品の詳細はこちらの記事をご参照下さい)。

作者のよしだみほさんは「よしだみほどっとこむ」というサイトを運営していて、読者は「おことづけ」として作者に直接コメントや感想を送ることができる。私もこれまで、送ったコメントが採用されて、よしださんの返事とともにサイトに掲載されたことが何度かある。そして先日送ったコメントがまたも採用されたので、よしださんの返事とともにここに載せさせていただく(要はこれがやりたくてこの記事を書いたのだ。他人様にはどーでもいいことだよね)。


【 私のコメント 】

馬なり第750R「ターゲットは同期」。「ケンカをやめて 二頭(ふたり)を止めて 私のために争わないで もうこれ以上」。何とも懐かしかったですが、これが歌の歌詞とわかる人ってどれぐらいいるんでしょう?「そーとーな年代の人でないとわからないんじゃ?」と思ったんですが、けっこう馬なりファンの年齢層って高いんですか? (デュークNave さんより)

【 よしだ先生のお返事 】

いや、作者の年齢が高いんです(笑)。オンナのコを争ってのモメ事というとどうしてもこの歌が浮かんでしまう世代なんですもの。ま、連載当初の昔からこれに限らず全体的に常に「わかる人だけわかればいいや」のマンガなので、反省も今後の留意もいたしません(笑)。



どうです、楽しいでしょう? (ちなみにこの歌は、河合奈保子の「けんかをやめて」です。40代半ば以上の人でないとわからないかも)よしださんはこのコメントのような楽しいノリで競馬の世界を描いていて、時には爆笑、時にはほんのり暖かい気持ちにさせてくれます。「馬なり」は、私にとって競馬を楽しむためになくてはならない芳醇なスパイスです。


P.S. 天皇賞・春。ゲート内で2番人気・ゴールドシップが暴れ、スタートで出遅れる波乱の展開。そのゴールドシップと1番人気・キズナが最後方から、連覇を狙うフェノーメノは中団の経済コースを行く。3コーナーの下りでキズナが大外から徐々に進出するが、直線を向いてから思いのほか脚が伸びない。かたやフェノーメノは馬場の中央から末脚を伸ばし、一気に先頭に立つ。その外からウインバリアシオンが迫るが、クビ差逃げ切り、史上3頭目の天皇賞・春連覇を達成した(「馬なり」的には、父のステイゴールドがまた「うひゃひゃひゃ笑い」するのが目に浮かぶようだ 笑)。

キズナは4着、やはり3200mはこの馬には長すぎるのか、末脚に大阪杯(2000m)の時のような鋭さが欠けていた。次走(たぶん)の宝塚記念(2200m)でのリベンジに期待したい。

posted by デュークNave at 13:28| Comment(0) | スポーツ-競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする