2017年06月30日

東京都議会議員選挙:安倍政権低落の予兆となるか

来る7月2日投票の東京都議会議員選挙は、首都とはいえ一地方議会の議員の選挙にすぎない。にもかかわらず、どうも今回は国政選挙並みの注目を浴びているようだ。

理由の1つは、そのタイミング。先の国会で、「共謀罪」法案を委員会の中間報告を受けて(=委員会採決をすっ飛ばして)国会決議を行うという暴挙に出て、例によって強引に成立させてしまった。この「非道」は、ひとえに「早く成立させて国会を閉幕し、加計学園問題に関する追及から逃れようとしたのだ」との見方がもっぱらである(まあどう言い訳しようと、そうとしか思えないよな)。

その直後に行われるこの選挙。しかも国会閉幕後の各メディアの世論調査で安倍内閣の支持率が急落し、不支持率と支持率が逆転した。

(あわてて安倍首相が記者会見を行い、「加計学園問題については、今後も丁寧に説明する努力を積み重ねたい」などと口にした。これまでも特定秘密保護法や安保関連法など「問題法案」が成立するたびに同じことを言ってきたが、本当に丁寧に説明したことは一度としてないので、このコメントは全く信用できない

「安倍支持急落」を受けて行われるこの選挙、その結果は安倍政権への都民のYes/Noの表われであると見ていいだろう。特にこの首都東京は地方と比べて革新の気風が強く、「潮の流れの変化」がかなりビビッドに選挙結果に出る。これが今回の選挙が国政選挙並みに注目されているもう1つの理由で、その結果は安倍政権への国民の評価を先取りすると目されているのだろう。安倍晋三大嫌いの私としては、これまで「我が世の春」とやりたい放題をやってきた安倍政権に何らかの鉄槌が下され、盤石と思われてきた安倍政権が低落に向かうきっかけになってくれることを期待している。


実際、ここのところの「もり・かけ」問題と、それに対する安倍首相や菅官房長官をはじめとする閣僚たちのあまりにも誠意に欠ける国会答弁や会見に、国民の胸中には相当な怒りのマグマが噴き上げてきているようだ。これがボディーブローのようにじわじわと安倍政権を追い詰めることになるのではないか。いや、そうでなくてはいけない。「こんなメチャクチャな政治はもはや許せん」と心ある有権者は思っているだろうし、その行方は海外からも注目されているだろう。

(憲法9条改正についての安倍首相の国会答弁「自民党総裁としての考え方は読売新聞に詳しく書いてあるので、ぜひ熟読していただきたい」は、今のところ私的には「安倍語録・ダントツワースト1」だ)

都民、そして日本国民の「政治的良心」が問われる今回の選挙である。


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2017年05月21日

三権分立/機能しているアメリカ、機能していない日本

トランプ政権とロシアの不透明な関係を調査するため、アメリカ司法省はモラー元FBI(連邦調査局)長官を特別検察官に任命した。

この疑惑は、昨年の大統領選挙期間中から取り沙汰されていた(ロシアがクリントン陣営にサイバー攻撃を仕掛け、これにトランプ陣営の関係者が関わっていたとの疑い)。この捜査にあたっていたFBIに対し、トランプ大統領は突如コミー長官を解任した。これは捜査への政治的圧力との見方が強く、露骨な捜査妨害ではないかとトランプ政権への批判が高まっている。

この特別検察官任命のニュースを聞いた時、私のみならず多くの日本人はこう思っただろう。「アメリカは三権分立が、そして民主主義がちゃんと機能している国なんだな。」これ以前にも、トランプ大統領が出したかの悪名高い大統領令「中東など7か国出身者の入国を禁止する」を連邦地裁が差し止め、これを控訴裁が支持するという「慶事」があった。アメリカでは、行政のトップの決定に司法がこうして正しいブレーキをかける。そして行政府の1つである司法省でさえ、「大統領の暴挙許すまじ」と、継続捜査のために特別検察官を任命する。立法府である連邦議会でも、野党の民主党のみならず与党の共和党内からも、トランプ政権に対する批判が噴出しているようだ(もっとも、共和党からの批判は昨年の選挙中からあったが)。このバランスのすばらしさは、さすが「民主主義の総本山」である。この事件は、かつてのウォーターゲート事件をもじって「ロシアゲート事件」と呼ばれており、トランプ大統領の弾劾やら辞任やらが早くもささやかれているようだ。


三権のバランスがすばらしく取れているアメリカ。翻って、我が日本はどうか。「安倍一強時代」の今、安倍首相のやることに対して行政府からブレーキがかかることなど、全く期待できない状況だ。森友問題も昭恵夫人への喚問は実現せず、8億円減額処理の担当者たちは「適正な処置だった」と繰り返すのみ。新たに浮上した、加計学園(理事長は総理の友人)の学部新設について「総理の意向」が働いたという疑惑についても、総理本人はこれを全面否定。文科省の担当職員へのヒアリングもわずか半日で終了、「文書の存在は確認できなかった」とし、早々に調査を打ち切っての幕引きを図っている。ここにも、早くも今年の流行語大賞の本命と目される「忖度(そんたく)」が働いたのか(間違いなくそうだろうが)。

司法も、沖縄の米軍基地の移設問題で政府の意向通りの決定を下し、すでに工事が始まっている。下級審の決定によって稼働が差し止められていた原発も、上級審で覆されて稼働を再開している。下級審が下した画期的な判決や決定が上級審で政府寄りに覆されることは今に始まったことではないが、最近はその傾向がさらに顕著だ。

立法府である国会でも、安倍首相はじめ閣僚の全く誠意に欠ける答弁が目立つ。金田法相はほとんど自分の言葉で答弁ができず、ついには法務省の専門家を国会に呼んで代わりに答弁させる始末。最悪は安倍首相で、憲法改正についての答弁を求められ、「自民党総裁としての考えは読売新聞に相当詳しく書いてある。ぜひ熟読してほしい」と言い放った。憲法63条には、「閣僚は答弁のために出席を求められた時は出席しなければならない」と定められている。そして「出席したからには、答弁には誠実に対応せよ」というのがこの条文の趣旨だろう。しかるに国会での答弁において「新聞を読め」というのは、答弁への誠に不誠実な対応であり、憲法63条の趣旨に反している。つまり憲法を改正する前に、その憲法に違反することを首相はやってしまっているのだ。しかしこの傍若無人に対し、野党は有効な反撃ができていない。結局は数で押し切られ、ほとんどすべてが政権のなすがままに事が運んでしまうのだ。

そして本来は政府から独立した機関である日本銀行も、今や有名無実化したアベノミクスを後押しする、ただの「政府御用銀行」に成り下がっている。毎年発行される膨大な赤字国債を大量に買い取り、一向に改善されない財政赤字を下支えしている。


こう見てくると、「立法」「司法」「行政」の三権のうち、行政がやたらに膨張し、他の2つの「権」はこれに追随しているだけという状況になっている。行政の膨張は今に始まったことではないが、それが今の安倍政権では顕著になっている。「三権分立」が今の日本政治では機能せず、行政の膨張、いや暴走が続いているのだ。

第二次安倍政権の発足以来、つまり「安倍独裁政治」が始まって以来、安倍首相の暴走はとどまるところを知らない。特定秘密保護法、安保関連法、カジノ法、そして今度の共謀罪法案。国民の知る権利を奪い、自衛隊を危険な任務に就かせ、国民を公営ギャンブルに引き込み、そして国民を裏で監視する。この国を国民主権から国家主権へと造り変えようとしているのがはっきりわかる。そして国家主権にすることは、これすなわち行政府のトップである総理大臣自身の権力が極大になることを意味する。つまり安倍首相という人は、日本をよい国にするためではなく、国民の生活をよりよくするためではなく、己の権力を際限なく大きくするために一連の政策を進めているのだ。安倍晋三というただ一人の男の野望のために、日本国と日本国民が非常に危険な状況にどんどん流れて行っているのだ。これまでの安倍政権の歩みは、こう考えるとすべてのことがつながり、腑に落ちてくる。

そしてこの仕上げが、祖父の岸信介の念願であった憲法改正である。これによって「安倍晋三の野望」はほぼ完成し、我が愛すべき母国は「ポイント・オブ・ノーリターン」に行きついてしまう。ポスト安倍は誰になるのか知らないが、権力者というものは、手にした権力は維持したがり、振り回したがるものなのだ。だから後任が誰になっても、一度極大になった首相と政府の権力は、そのあとも猛威を振るい続けることになるだろう。まさに識者が言う「戦前回帰」、国家権力が暴走して戦争へ突き進んだ、あの時代への「時計の針の逆回し」である。これはちょっと極端な想像かもしれないが、そういうきな臭さがじわじわと広がっている恐怖感は確かに感じられる。


この「安倍の暴走」を招いた一番の原因は何か。安倍首相本人の、政治家としてそして人間としての資質の問題もあるだろう。周囲を固める閣僚らが「勝ち馬に乗れ」とばかりに乗っかってしまい、この傍若無人な首相への批判が党内から出ないという異常な状況のせいでもあるだろう。しかし私が思う最大の原因は、国民がこんな安倍政権をいまだに支持し、選挙で勝たせてしまったからだ。「3分の2」をいとも簡単に許し、数を与えてしまったがために、これまでにも増して暴走するようになってしまったのだ(共謀罪の審議はたったの30時間。安保関連法では100時間かけていたのだが)。

いくら痛烈に批判しても、選挙で勝たせてしまったら全く無意味なのだ。それはこれまでの幾度の選挙が物語っている。次の選挙はいつになるのかわからないが、日本国民の皆さん、また次の選挙でも与党に勝たせますか? そして「安倍一強」、いや「安倍一狂」状態をさらに加速させるんですか? あなたのお子さんやお孫さんの世代に、簡単には消えない禍根を残すことになりますが、それでいいんですか? 「仕事が忙しくて政治のことなんか見てるヒマない」とおっしゃるかもしれませんが、あなたの愛するご子孫が、とても危険で息苦しい状況に置かれるかもしないんですよ? それでいいんですか?


1億2千万の日本国民の皆さん、お忙しいでしょうけど、ここで一度足を止めてじっくり考えて下さい。今日本は、どんどん危ない道を進みつつあります。このすばらしい歴史ある国を、あの戦前の息苦しい時代に戻したいですか? その息苦しさ、すでにあちこちで始まっていることに気がついていますか? 


昭和戦前なんて、私にとっては「歴史」でしかなかった。あんな時代、司馬遼太郎さんが「鬼胎の時代」と呼んだ異常な時代が、またやってくるかもしれないなどとは夢にも思わなかった。ただ正直、いくら安倍首相が強権を振るったとしても、あそこまでひどいことにはならないだろうと思う。しかし、「あの時代」を思い起こさせるようなことがじわじわと進んでいるということ自体が大問題なのだ。

これだけははっきり言える。安倍晋三首相は、戦後の歴代首相の中でダントツで最悪の総理大臣だ。こんな強権、いや狂犬政治を許しては、日本国と日本国民はどんなとんでもないところへ連れて行かれるか知れたものではない。日本国民の皆さん、このこと、本気で考えて下さいね! 本気で肝に銘じて下さいね!

posted by デュークNave at 11:56| Comment(0) | 政治・時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

「森友学園事件」にまつわる3つの疑問:その結末はいかに?

今や世間の最大の関心事となった感がある「森友学園事件」。安倍首相嫌いの私としては、メディアの皆さんや野党の方々にはこの際トコトンいじめてほしいと思うのだが、そんな個人的な感情を抜きにしても、これは捨て置いてはいけない事件、徹底的に真相を解明してもらいたい事件だと思う。その理由を私なりにまとめてみた。


@ 国有地が不当な廉価で売却されたこと

近畿財務局が、大阪府豊中市の国有地(評価額9億5,600万円)を、学校法人「森友学園」に1億3,400万円で売却した。8億円以上もが減額された理由として国交省は「地中のごみの撤去費用として8億2,000万円を差し引いた」と説明している。

こういう場合、撤去費用の見積もりは専門業者が行うのが一般的だそうだが、今回はなぜか近畿財務局の依頼で大阪航空局が見積もった。国家機関が直接見積もるのは前例がなく、「前例がないとテコでも動かない」中央官庁にしては異常事態である。

しかも財務省は、この売買を巡る学園側と近畿財務局との交渉記録を、「2016年6月の売買契約成立後に破棄した」と報告した。これにも納得がいかない。


「これは森友学園に安値で売るように、外部からの働きかけあるいは圧力があったに違いない。そしてその証拠隠滅のために記録を破棄したんだろう。」一般常識的に考えれば、誰もがこう思うだろう。


A 森友学園の前時代的な教育方針

この「不当廉価」で手に入れた土地に、森友学園は小学校を新設するという。しかしメディアが明らかにした森友学園の教育内容は、誰もが唖然とするものだった。


学園が運営する幼稚園では、園児に「教育勅語」を暗唱させている。この教育勅語は、「基本的人権を損ない、国際信義に対して疑いを残す」として、1948年の衆参両院で排除と失効確認が決議された。こんなシロモノを幼児に暗唱させるなど時代錯誤も甚だしく、教育方針に根本的な欠陥があると言わざるを得ない。

また運動会の選手宣誓で、「安倍首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです」と唱えさせる。これは教育の政治的中立を求めている教育基本法を逸脱しているし、何よりまだ政治を理解できない幼児にこんなことを唱えさせるのは、「洗脳」以外の何物でもない。政権にすり寄る教育機関、これは非常に危険な香りがする。

さらに「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」という差別表現のある文書を保護者に配り、大阪府の事情聴取を受けていたことも明らかになった。ここにも教育機関にあるまじき偏った思想が見える。

こんな「前時代の遺物」に小学校設立の認可を与えていいのかと思っていたら、さすがに大阪府は認可判断を先送りするという。これで予定していた4月開校は困難になったようだが、これで済まされる問題ではない。そもそもこんな極端な「右寄り」の教育機関の存在が許されていいのか。その存在そのものが危険だと思うのだが。


こういう状況を見て、誰もが思うこと:「こんな危険な教育機関が存在し、一度は新たな学校の認可も受けたその最大の理由:それは森友学園が『安倍派』であり、安倍首相の政策を強く支持しているからだ。」これが一般常識的な考えだろう。


B 「安倍晋三記念小学校」「安倍昭恵名誉校長」

森友学園は一時期、「安倍晋三記念小学校」の名目で寄付を集めていた。また4月開校予定のこの小学校で、安倍首相の昭恵夫人が名誉校長に就任した。ところが「国有地の不当廉価売却」が騒ぎになったため、(たぶんあわてて)名誉校長を辞任した。

この事実関係を見て、誰もが思うこと:「首相夫婦がお揃いで森友学園と何らかの関係を持っていたんだな。」名前を冠して寄付金を集めたり、名誉職に就任したりと、こんな事実が明らかになってしまっては、どう強弁して関与を否定しても意味があるまい。「ネタは挙がってるんだよ!」というヤツだ。

2月17日の衆議院予算委員会での安倍首相の答弁:「(籠池理事長は)私の考えに共鳴している方」「妻から森友学園の先生の教育への熱意はすばらしいと聞いている」と、そのわずか1週間後(24日・同)の答弁:「(「安倍晋三記念小学校」の名義使用要請が)非常にしつこい。何度も断った」「この方(籠池理事長)は簡単に引き下がらない人」「教育者としてはいかがなものか」との間にはあまりにギャップがあり、呆れるほどに手のひらを返しているのに唖然とする。だが、この人の国会での詭弁は今に始まったことではないのでさほど驚かないし、今後この人の答弁をいくら聞いてもさほどの意味はないだろう。


それより早く事実関係を明らかにし、学園や理事長と首相夫妻や議員、官僚との関りを明白にしてもらいたい。再度言うが、これは単なる権力者いじめではない。「国家財産が不当に処分され、それが政権寄りの極端な思想を持つ教育機関に安売りされ、しかもそれに首相夫妻が絡んでいるかもしれない。」これは国家運営の根幹にかかわる重大事なのだ。徹底的な全容解明を望む。

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2017年01月20日

「ヒラリーだったらこんなことにはならなかった」 〜今すでに世界中で漏れている(であろう)、つぶやき、溜息〜

ドナルド・トランプ新アメリカ大統領が、アメリカ時間の今日誕生する。昨2016年の世界2大サプライズ、「イギリスEU離脱決定」と「傍若無人・暴言癖の男が、何と米大統領に!」の、一方の当事者である。

この人、選挙に当選して「次期米大統領」と呼ばれるようになるや否や、さっそく世界を騒がせてくれている。「TPPには参加しない」「オバマケアはやめる」あたりはまだ政治のことなのだが、最近のフォードやトヨタへの圧力「メキシコに工場を作るなら多額の関税をかけるぞ!」はモロに強引な企業経営者の顔であり、こんな露骨な経営干渉をした米大統領はかつていなかった。さらに記者会見では、自分に批判的なCNNの記者の質問を完全に無視し、「ウソニュースだ」と決めつけた。「助走段階」でこれだから、大統領に就任して「本番」になったら、いったい何を言い、何をやらかすのか、まったく予測がつかない。


アメリカのみならず、今世界中では、こんなつぶやきが漏れているかもしれない。「ヒラリーだったら、こんなことにはならなかった」まあヒラリーならずとも、他のどの候補者が当選しても、助走段階でも本番でもこんなことはやらかさないだろう。トランプ氏の支持者は、こういうよく言えば破天荒なところに、旧来の政治家にはない魅力を感じて彼を支持しているのだろうが、それにしても型破りが過ぎる。就任式には民主党の議員の60人近くが欠席すると表明しており、パレードに参加する市民の数も通常の半分ほどになるという。各地で多数の抗議デモも行われる予定だ。

「〇〇だったら、こんなことにはならなかった」。このつぶやき、以前も聞いたことがあるし、私自身もつぶやいたことがある。2001年、激戦の末米大統領に就任したジョージ・W・ブッシュ。就任1年目に同時多発テロが勃発し、「テロとの戦い」を標榜して当初は支持率も高かったが、他国を「悪の枢軸」呼ばわりしたり、大量破壊兵器保持の確かな根拠もなくイラク戦争を起こしたりと、世界のあちこちで紛争騒ぎを起こした。このヤンキー気質丸出しの好戦的な大統領のおかげで、世界中がえらく物騒になってしまった(映画監督のマイケル・ムーアは「おい、ブッシュ、世界を返せ!」を著したが、私もこのタイトルの言葉をそのままブッシュ大統領に突きつけたい気分だった)。

この時、私が思っていたこと:「アル・ゴアだったら、こんなことにはならなかっただろうな」大統領選でブッシュと大激戦を繰り広げたアル・ゴア副大統領(当時)。のちにアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞・歌曲賞を受賞した映画「不都合な真実」に主演し(書籍化されてベストセラーにもなった)、世界有数の環境保護論者として脚光を浴びた。こんな彼なら、ブッシュのように世界中に紛争の種をまき散らすようなことは絶対にしなかっただろう。れば・たらは無意味とわかっていての、むなしいつぶやき、いや溜息である。


さてトランプ新大統領、この先どれだけの溜息、嘆きを世界中に蔓延させることになるのか。何せ言うことややることに予測がつかないのが困る。普通なら「お手並み拝見」と静観するところだが、静観などしたらどんどんとんでもないことをやってくれそうだ。しかし無力なただの一市民である我々に、何もできようもない。せめて日本政府や中央官庁の皆さん、彼の暴走を何とかしてほしい。・・・でも無理だろうなあ、我が安倍首相はトランプ氏当選後、世界の誰よりも早く「トランプ詣で」しちゃったぐらいだから、この先も一生懸命トランプ氏にシッポを振るんだろうな。ともに「独裁的でやりたい放題」という共通点があるから、けっこうウマが合うんだろう。しかしこういうことでウマが合うのは、両国民にとっては非常に困るんだけどな・・・。

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2016年07月24日

「日本は…駄目だ」 〜「3分の2」をいとも簡単に許した、この国の人たち〜

東京都知事選挙の投票日が1週間後に迫ってきたが、都民のくせに私は、正直ほとんど関心が持てない(投票には行くけど)。10日に投票が行われた参議院議員選挙の結果とそれをもたらした内実にあきれ果てていて、「日本の政治はどんどんダメになっているけど、もっとダメになっているのは選挙民、国民の方だ」という絶望感にさいなまれているからだ。


【 「3分の2ってなに?」の衝撃 】

選挙直後の毎日新聞夕刊。いつも愛読している与良正男・専門編集委員の「熱血! 与良政談」の記事は衝撃だった。選挙戦のさなか、高知新聞の記者が高知市内で街を歩く100人に「3分の2とは何のことか」と聞くと、83人が全く知らなかったという。さらに毎日新聞が投票日の10日に行った全国アンケートでも、6割近くの人がこのキーワードを知らなかったというのだ。

「3分の2」については、新聞各紙が選挙戦のさなかの情勢分析で何度か1面トップの大見出しで報道していたから、新聞をチラリとでも読んでいれば知らないはずがない。一方テレビではほとんど触れていなかったらしく、与良氏は「知らせようとしなかった罪は深い」と指摘し、「愚民政治=人民に政治意識を持たせず、支配者の言いなりになるようにさせる政治」になりつつあるこの国の政治に嘆息している。

与良氏は、「知らせる側」にいる立場から「自らの発信力の乏しさに情けなくなる」と責任を痛感しているようだが、「知る側」にいる私に言わせれば、過半数の人間が「3分の2」を知らなかったという、「知る側」の意識の低さがそもそも問題だと思う。メディアを圧迫したり「改憲隠し」したりする安倍政権のやり方にも大いに問題はあるが、それを無批判に、というより無関心に受け流してしまう日本国民の、相変わらずの政治意識の低さが根本的な大問題なのだ(今回の投票率も54.70%と、相変わらずの低さだった)。


【 ここまできたか、この国と国民の「政治的ダメさ加減」 】

この国が政治的にダメなのは今に始まったことではないが、ついに国も国民もトコトン全くダメになってしまったようだ。私は「一社会人として、政治にも一定の関心を持っていなければならない」と自覚して今まで生きてきた。しかしこの国においては、政治意識を持てば持つほどイラつきが増すばかりで、精神衛生上非常によくない(特に安倍政権になってからこの傾向が顕著だ)。

明治末期、大逆事件で死刑判決を受けた幸徳秋水らが、判決からわずか6日後に死刑執行されたことを知った石川啄木は、「日本は…駄目だ」と嘆息した。これと同じ嘆きを、今私は抱いている。「日本は…駄目だ。少なくとも政治は」


【 これからは政治以外の「日本のいいところ」をのみ見ていく 】

この国と国民のすべてを突き放すわけじゃない。文化や民族性の面ではすばらしい点がたくさんある。でも政治的には、もうほとんどダメなようだ。

「選挙には行くが、この国と国民は政治的にはアテにしない」

これがこれからの、私の日本政治に対するスタンスだ。そしてこれからは、日本と日本人の美点にのみ注目し、掘り下げる。それと同時に、自分自身もさまざまな点で知識や能力を向上させる。こうすることで、日本人としての誇りを取り戻したい。政治面に目をつぶれば、この国は世界有数の魅力あふれる国であることは確かなのだから。


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