2016年10月30日

「野球神の見えざる手」を振り払い、日本ハム逆転優勝 〜日本シリーズ2016〜

先週このブログのアクセス数が、ある記事に集中した日があった。

「意外な外弁慶シリーズ」になった今年の最高決戦」
http://keep-alive.seesaa.net/article/235782520.html?1477772008

だ。2011年の日本シリーズ、ソフトバンクVS中日の対決。敵地でそれぞれ中日とソフトバンクが連勝と3連勝し、第6戦はまたアウェーで中日が勝ち、「最後まで外弁慶シリーズなのか」と思ったが、最終戦でソフトバンクが地力で中日を突き放し、8年ぶりの日本一に輝いた。


この時は外弁慶だったが、今年の日本シリーズは「内弁慶シリーズ」になった。マツダスタジアムで行われた初戦と第2戦は広島が快勝。札幌ドームでの3連戦は、いずれも接戦だったが日本ハムが3連勝。特に第3戦と第5戦はサヨナラゲームで、大逆転でペナントレースを制した日本ハムの勢いが、再び本拠地で発揮された感があった。


ここまでは「野球神の見えざる手」のお導きの通りのスリリングな展開。さてマツダスタジアムに戻った第6戦、内弁慶が続くのか日本ハムが一気に決めるのかが注目された。先発は広島がエース野村、日本ハムが増井。大谷で決めに来るかと思ったが、最終戦に温存した。野球神のお導き通りなら、第6戦は広島が勝ち、最終戦で引退を表明した黒田と大谷が投げ合うというのがもっともドラマチックな展開だ。

日本ハムの栗山監督は大相撲の千代の富士と貴乃花の例を挙げていたが(平成3年夏場所、大横綱千代の富士と新進気鋭の貴花田(当時)が初日で対戦し、貴花田が勝った。これが両者の最初で最後の対戦であり、千代の富士はこの場所途中で引退を表明。世代交代を強く印象付けた一番だった)、「あれ、ということは、栗山監督は第6戦は負けてもいいと考えてるのかな」といぶかった。まさかそんなことはないだろうが、大谷を投手・1番で起用するなど、ファンを喜ばせる演出が得意な栗山監督だから、「そんな展開になるのも面白いな」とは思っていただろう。


さてその第6戦、期待通りの大接戦になった。日本ハムが初回に先制すると、広島が2回に逆転。日本ハムが4回に再逆転すると、広島が5・6回に得点して追いつく。ここまではどちらに転ぶかわからない、手に汗握る展開。さて迎える終盤、野球神はどうやって広島を勝たせるように導くのかと思っていたのだが・・・。

8回表、思わぬシーンが待っていた。この回から登板のジャクソンが2死ランナーなしから思わぬ3連打を浴び、満塁のピンチ。打席には4番・中田。そしてその時、ネクストバッターズサークルに大谷が現れ、バットを振り始めた。これがジャクソンにプレッシャーを与えたのか、中田にストレートの四球を献上してしまう。痛恨の押し出しで再び日本ハムが勝ち越し。すると大谷は素知らぬ顔でダッグアウトに下がり、打席には投手のバースがそのまま入る。これは何とも痛快な栗山監督の演出だった。動揺が収まらないジャクソンはバースにもタイムリーを許して2点差。そしてとどめはレアード。シリーズ3本目のアーチは、グランドスラムとなって左中間スタンドに飛び込んだ。


最後の最後で、「野球神の見えざる手」を振り払うような怒涛の攻撃で、日本ハムが一気に決着をつけた。この勢いにはさすがの野球神も「参りました」と脱帽したか。日本ハムの10年ぶり3回目の日本一は素直に称賛したい。・・・ただ正直、最終戦で黒田−大谷の、まさに「千代の富士−貴花田」を思わせる「最後の新旧対決」、最高にドラマチックなシーンを見れなかったのが、「中立の野球ファン」としては何とも残念だ。観たかったな〜。


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2016年10月26日

宇野昌磨、GPシリーズ初の「フル出場優勝」 〜フィギュアGPシリーズ開幕戦・スケートアメリカ〜

今年も始まったフィギュアスケート・GPシリーズ。今季も開幕戦はスケートアメリカである。主な出場選手は、男子は宇野昌磨、セルゲイ・ボロノフ、マキシム・コフトゥン(ともにロシア)、ボーヤン・ジン(中国)、ジェイソン・ブラウン、アダム・リッポン(ともにアメリカ)、女子は日本勢では浅田真央、村上佳菜子の両実力者に加え、この試合がシニアデビューの17歳・三原舞依。これを昨シーズン世界選手権銀メダリストのアシュリー・ワグナー、グレイシー・ゴールドの地元アメリカ勢が迎え撃つ。


【 女子 】


三原舞依は、前哨戦で一昨年の世界女王・トゥクタミシェワ(ロシア)を破った勢いのまま、SP・FSとも安定した演技を見せた。SPでは、最後のジャンプで着氷が乱れたが伸びやかな演技を披露し、本人も驚く2位発進。FSでも後半、コンビネーションジャンプのセカンドジャンプがダウングレード判定になり、最後の3サルコウが2回転になったが、他はすべての要素でGOE加点を得た。FSでも3位に入り、シニアデビューの大会で見事に表彰台をゲット。しかも試合後のインタビューで、練習通りの演技ができなかったことを非常に悔しがっていた。いきなり銅メダルを手にしたことに満足しない、この向上心の強さはすばらしい。次戦(中国杯)がさらに楽しみになってきた。


優勝はアシュリー・ワグナー。昨季の世界選手権・銀がよほど自信になったのだろう、リンクに立った時の表情と雰囲気にはギラギラした自信がみなぎり、他を圧するようなオーラを醸し出していた。そして演技も、細かなミスはあったものの流れを壊すことはなく、いつもながらの躍動感あふれるダイナミックな演技を披露した。この圧倒的な存在感で、当然のように優勝。これは今季も、彼女はロシアティーネージャー軍団の手ごわいライバルになりそうだ。


今シーズンの浅田真央は、「リチュアル・ダンス」という曲を、SPではピアノバージョン、FSではオーケストラバージョンで演じるというユニークなプログラム。しかし演技構成は、ケガの回復が十分ではないため3アクセルを封印した。この調整不足が響いたのか、特にFSの演技後半でジャンプにミスが相次ぎ、総合6位に沈んだ。ファイナルへの進出はかなり厳しくなったが、次戦までに調整して、この独特のプログラムの魅力を存分に見せてもらいたいものだ。


【 男子 】


表彰台の3人がすばらしい演技を見せてくれた。開幕戦からこの充実ぶり、今後の戦いがますます楽しみになってきた。


アダム・リッポンはこれまで、安定した実力は持っているがなかなか表彰台に上がれないという「イマイチ君」だった。しかし今回はSP・FSともハイレベルな安定感を見せ(特にFSの演技は迫力があった)、GPシリーズ4度目の表彰台をゲットした。


ジェイソン・ブラウンは私の大好きな選手だ。長い手足を生かした、情感あふれる柔らかな演技。さらに表情やしぐさなどのコミカルさが加わり、彼がリンクに立つとそこはエンターテインメントショーの舞台に変貌する。FSでは4トゥループを見事に決め、そのあとも流れるようにプログラムが進む。ジャンプ、スピン、ステップのすべての要素がプログラムに溶け込み、見惚れてしまうほどだ。SP3位から逆転の銀メダル。昨季はケガで本来の力を発揮できなかったが、その健在ぶりを強烈にアピールした。


そして、宇野昌磨ギネスブックから「世界初」の認定を受けた4フリップを、SP・FSともに鮮やかに決めた。FSではさらに4トゥ、後半には4トゥ・2トゥのコンビネーションも決める。「これを決めればパーフェクトいける」と欲を出した3アクセルからのコンビネーションで転倒したが、自己ベストに近い190.19をマーク。念願のGPシリーズフル出場での優勝を果たした(昨季のフランス大会での優勝は、パリ同時多発テロの影響でFSが中止になり、SPの順位のみでの優勝だった)。

直前の6分間練習では、4フリップをはじめ4ジャンプがなかなか決まらず、観ている側も不安になった。あんな状態から、どうしてあれほど見事な4ジャンプを決められるのだろうか。「本番に強い」と言ってしまえばそれまでだが、これは並大抵の精神力ではない。日々積み重ねた練習と心の鍛錬の賜物なのだろう。これで2年連続のGPファイナル進出に大きく近づいた。


さて、今年もやってきたこの季節。GPシリーズは始まると毎週末に大会があるので、観戦とブログ記事の執筆でいつも大忙しになる。でもこれはまさに「うれしい悲鳴」だ。さて、今季はどんなドラマが待っているのか、そしてどんな「芸術作品」を味わうことができるのか。興味は尽きない。

posted by デュークNave at 10:37| Comment(0) | スポーツ-フィギュアスケート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月23日

我が独断で選ぶ”武豊 Best 7 Victories”

私の最も信頼するスポーツ専門誌“Number”の最新号(913号)は、前人未到の4,000勝を達成した、日本競馬界が世界に誇るNo.1ジョッキー・武豊を大特集。本人へのロングインタビュー、名勝負の数々、騎手人生30年を綴った年表・記録、国内外の騎手たちのコメントなど、さすがNumber、盛りだくさんのラインナップだ。

武豊はこれまで数々の名馬に騎乗し、数多の名勝負を見せてくれたが(私もその多くをリアルタイムで目撃した)、この中から私の独断で「武豊 ベスト7勝利」を選んだ。(普通は「ベスト5」だろうが、「武豊の名勝負」をたった5つに絞るなど不可能なのだ。7つでも相当に迷ったけど)これは世の競馬ファン諸氏とはかなり違うランキングになると思うが、あくまで私個人の思い入れで選んだものなのでご了承のほどを。


【 No.7:1989年・天皇賞(春)/イナリワン 】

道中は中断待機、最後の直線でスルスルと抜け出して快勝。実況の杉本清アナ「また武豊だ!」と叫んだ。関西担当の杉本アナがこのレースの前に京都競馬場で実況したGTは、前年の菊花賞。この時もスーパークリークに騎乗した武豊が、直線で鮮やかに抜け出してGT初勝利を飾っているのだ。武豊はこの勝利から4年連続で天皇賞(春)を制し(1989年イナリワン〜1990年スーパークリーク〜1991・1992年メジロマックイーン)、「平成の盾男」と呼ばれることになる。


【 No.6:1988年・菊花賞/スーパークリーク 】

武豊の記念すべきGT初勝利。最後の直線、わずかに空いた内を機敏に突き、鋭く末脚を伸ばす。そのまま後続に影も踏ませず、5馬身差の圧勝。長距離得意の血統を生かし、クラシックの最後の1冠をものにした。直線で内に鋭く切り込んだ武豊の好判断が強く印象に残るレースだ。


【 No.5:1990年・有馬記念/オグリキャップ 】

今や伝説と化したアイドルホース・オグリキャップのラストラン。秋のGT戦線で天皇賞(秋)6着・ジャパンカップ11着と沈み、「もうオグリは終わった」とささやかれていた(実際このレースでは、ファン投票では1位だがオッズでは4番人気だった)。しかしそんな風評を吹き飛ばすように最後の直線で先頭に躍り出し、メジロライアンの追撃をかわして有終の美を飾った(メジロライアンびいきの競馬評論家・大川慶次郎氏の、直線での「ライアン!」の叫びもまた伝説化している)


【 No.4:1998年・日本ダービー/スペシャルウィーク 】

10度目の挑戦で悲願のダービー制覇。本命と目された皐月賞では大外枠の不利で届かず3着。続くダービーではまさに「大本命」だったが、直線で馬場の真ん中に躍り出ると一気に加速、そのまま後続を5馬身ちぎって圧勝。それまでのダービー9連敗のうっ憤を晴らす快勝だった。


【 No.3:1999年・天皇賞(秋)/スペシャルウィーク 】

前哨戦の京都大賞典でまさかの7着。これが響いてか、オッズを4番人気に下げていた。ここで武豊が取った秘策は、乾坤一擲の直線勝負。最終4コーナーまでじっと後方に待機し、直線で大外に持ち出し、ここからロングスパート。前を行く馬を次々に抜き去り、ゴール前で計ったかのようにきっちりと差し切った。目にも鮮やかな大外からの豪快なまくりだった。


【 No.2:1996年・菊花賞/ダンスインザダーク 】

ダービーでは大本命になりながら、ゴール直前で伏兵・フサイチコンコルドに足をすくわれた。何としても勝ち取りたいクラシック最後の1冠。しかし道中は後方を強いられ、最後の直線を向いた時はいまだ10番手。しかしここから内を突いて前方に進出、前が空くとまるでターボエンジンのような爆発的な加速でフサイチコンコルドを抜き去り、ダービーのリベンジを見事に果たした。この時のラスト100mのすさまじい追い込みは、いまだに目に焼きついて離れない。


【 No.1:1998年・金鯱賞/サイレンススズカ 】

このレースだけGUなのだが、観る者に与えたインパクトの大きさはナンバーワンにふさわしい。スタートから風を切って先頭を走り、後続には目もくれず、はるか前方を気持ちよさそうに一人旅。直線を向くとさらに二の脚を伸ばし、武豊はステッキ一つ入れずに余裕のガッツポーズ。まさに「後ろからはな〜んにも来ない」(1975年桜花賞・テスコガビーの大逃げを見た杉本清アナの伝説の実況)状態で、レコードタイムでの圧勝。競馬評論家の須田鷹雄氏「競馬以外の何かを観ているようだった」と述懐した、「美しき芸術作品」。この年の天皇賞(秋)でサイレンススズカが無事にレースを終えていれば、どれだけ後続を引き離し、どんなすさまじいレコードタイムを叩き出していただろう・・・この思いは、いまだに私の胸をよぎる。


この他にも、1997年の天皇賞(秋)・エアグルーヴで牝馬17年ぶりの天皇賞勝利や、2008年の天皇賞(秋)・ダイワスカーレットとの「女帝対決」を制したウオッカでの勝利、敗れはしたものの1999年の有馬記念・グラスワンダーとの「首の上げ下げ決着」となったスペシャルウイークなど、数え上げればきりがない。


2009年以降は、度重なる故障もあってリーディングジョッキーの座を他の騎手に明け渡しているが、「日本のナンバーワンジョッキーはやはり武豊」これに異論のある人はほとんどいないだろう。日本競馬界にあって武豊の名は永久に不滅であり、永遠にその輝きが失われることはないのだ。


P.S. 菊花賞サトノダイヤモンドディーマジェスティの一騎打ちの様相の中、武豊騎乗のエアスピネルが3着に食い込んだ(1着サトノダイヤモンド、ディーマジェスティは4着)。春は皐月賞・ダービーとも4着、ブロコレ俱楽部にも入れない?イマイチ君だった。この菊花賞でも6番人気。しかし鞍上の武豊は、中団から後方待機と思われたこの馬を3・4番手で行かせ、途中掛かり気味になったところも巧みに落ち着かせ、内で脚をためる。そして最後の直線、最内を突いて末脚を伸ばした。2着レインボーラインにハナ差かわされたが、下馬評を覆す好走といっていいだろう。

Numberの特集号を読んだあとだったので、他の馬には目もくれず武豊とエアスピネルだけにフォーカスして観ていたが、さすがうまいな、と思った。好スタートを切っての好位キープ、道中の落ち着かせ方、直線での進路、そして最後の仕掛け。末脚の瞬発力で優勝馬の後塵を拝したが、この馬の力は十分に出せたと思う。


posted by デュークNave at 10:25| Comment(0) | スポーツ-競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月20日

タモリと爆笑問題:シリアスとコミカルの絶妙なバランス

以前、「テレビ番組は厳選して観ている」という記事をこのブログに載せた。私は早寝早起き人間であり(というより夜更かしが苦手)、観たい番組のほとんどは夜遅い時間の放送なので、すべて留守録して観ている。今毎週録画して観ているのは、「知恵泉」(NHK・Eテレ)、「歴史秘話ヒストリア」(NHK・総合)、「サタデースポーツ」(同)、「真田丸」(同)、「サンデースポーツ」(同)などだ。これにその内容によっては「NHKスペシャル」や「アスリートの魂」、「100分で名著」などが加わる。最近ではNHKの土曜ドラマ「夏目漱石の妻」(全4回)を録画したが、これはすごく面白かった。

またNHKオンデマンドの「見逃し番組視聴プログラム」の会員なので、このサイトでも観ることができる。このサイトでの私の一番の好物は「英雄たちの選択」。我がひそかな大ファンである歴史家の磯田道史氏とNHKの渡邊佐和子アナが司会を務め、ある歴史上の人物の「後世に影響を与えた選択の時」にスポットを当て、各方面の専門家とともに語り合うという番組である。その「選択の時」前後の経緯もさることながら、磯田氏や各コメンテーターの鋭い論評が実に面白く、見応えたっぷりの歴史番組だ。毎週録画したいほど内容の濃い番組なのだが、残念ながら私はBS・CS放送の受信契約を結んでいないので、オンデマンドで観ることしかできない(料金のことよりも、今でも少なからぬ番組を観ているので、これ以上選択肢を増やしたくないのだ)


前置きが長くなってしまったが、ここからが本題。このオンデマンドのサイトを観ていたら、「NHKスペシャル マネー・ワールド」「ブラタモリ・富士の樹海」が目に入った。これはともにNHK総合の番組であり、観ようと思えば観れたし、録画もできたのだが、「これ以上観る番組を増やしたくない」というブレーキを自分にかけたため録画しなかったのだ。しかし番組の説明を読んで「これは面白そうだな」と思い、両方とも観てしまった。

結果:両方ともすごく面白かった。番組の内容も興味津々だったが、特にうなりながら観ていたのは、タモリと爆笑問題の「シリアスとコミカルのバランスの良さ」だ。タモリは富士の樹海を案内に従って歩き回りながら、いつもながらの観察眼の鋭さでガイド役を驚嘆させる。そして磁石が好きという同行の近江友里恵アナに、これもいつもながらのツッコミを入れる。基本はまじめな番組なのだが、タモリが絡むのでやんわりとお笑いのテイストが加わるし、観ている方も「タモリがまた何か面白いこと言うんじゃないか」と期待する。この硬さと柔らかさの絶妙なバランスは、さすがタモリだなと思う。


かたや爆笑問題。NHKで「探検バクモン」というレギュラー番組を持っているとはいえ、「マネー・ワールド」なんてスケールが大きそうで難しそうなタイトルの3回シリーズのNスペに、お笑いタレントが呼ばれることがそもそも前代未聞だ。ただこの2人は、けっこうシリアスなテーマの番組もこなせる芸域の広さを持っているので、NHKもそこを信頼しての起用だったのだろう。

で、2人はいつものように田中裕二がけっこうまじめに話を進め、それに太田光がボケたツッコミを入れる。たとえば番組冒頭、「マネー・ワールド」というタイトルに太田が「田中さんがお金持ちだから」「資本主義の権化」「資本主義が生みだしたモンスターと呼ばれる」と連発していきなり笑わせる。大企業の不正の話題になると、太田が田中に「お前の名前パナマ文書に載ってた」とツッコむ。それでいて専門家が入ってのトークになると、太田が「日銀がマイナス金利までやっても、大企業まで内部留保をためこんで賃金を上げようとしないのは、将来的な不安が払拭できないから」と鋭い指摘をしてみせる。田中もAIを活用した投資の話題で、「(投資家が全部AIになったら)AI同士で戦って、損したら『俺のAIはバカだったんだよ』って、そういうことになるよね」と笑わせる。2人(特に太田)のギャグとマジトークのバランスが絶妙だった。もともと興味深いテーマの番組が、彼らのコミカルさによってさらに面白く、かつわかりやすくなっている(太田の面白さもそのツッコミを受けて切り返す田中がいるからで、2人のバランスの良さがあっての爆笑問題なのだ)。


彼らのような、硬軟織り交ぜた語りややり取りができるお笑い芸人こそ最強だと、私は思う。こういう意味でタモリと爆笑問題は、面白いだけでなく尊敬に値する。ブラタモリの富士の樹海編は来週に続くし、「マネー・ワールド」は3回シリーズ。続きが楽しみだ。


posted by デュークNave at 02:24| Comment(0) | 映画・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月17日

リーグ優勝同士の「横綱対決」 〜ここにも感じる「野球神のお導き」〜

プロ野球・クライマックスシリーズ(CS)の第2ステージが終わり、リーグ優勝した広島と日本ハムが、「順当に」日本シリーズへの進出を決めた。広島は優勝した1991年以来25年ぶり、日本ハムは4年ぶりの頂上決戦である。


この第2ステージの経緯にも、「野球神のお導き」を感じる。セ・リーグは4勝1敗で広島が制したが、広島とDeNAの実力差、ペナントレースのゲーム差を考えると、内容的にも流れから見ても順当だったと思う。広島が連続完封で王手をかける。抑え込まれていたDeNAが、第3戦でお返しの零封勝ちで一矢を報いる。そして第4戦、初回に広島が大量6得点で大きくリードしたが、DeNAがしぶとく食い下がり、1点差まで詰め寄った。一気に持っていかれずに1勝を返し、大量失点にもめげずに粘り腰を見せる。DeNAにとっては来季につながる、まさに「いい負け方」だったと思う。

一方パ・リーグは、ペナントレースで最後までつば競り合いを演じた両リームが、ここでもせめぎ合いを見せた。互いに連勝を許さず、終わってみれば日本ハム3勝・ソフトバンク2勝。実力伯仲の両チームだけに、リーグ優勝で勝ち取った1勝のアドバンテージが大きくモノを言った。


両リーグとも、ペナントレースでの戦いぶりとその結果がそのままCSにも出た感がある。大差がついたセ・リーグは広島が先行してDeNAが最後に粘り、接戦だったパ・リーグはここでも最後までわからないきわどい戦いになった。ここに私は「野球神のお導き」を感じるのだ。「双方がその力を発揮し、実力者が勝ち上がり、頂上決戦を最高に盛り上げよ」との「見えざる手」が動いている気がするのだ。そしてそのお導きの通りに実力者が勝ち上がり、リーグ優勝同士の「横綱対決」となった。


さあ、今年のプロ野球・クライマックスはどんな決着になるのか。あとはじっと見つめるだけだ。

posted by デュークNave at 04:35| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月13日

野球神のお導きのなせる業? いい流れになっているCS

プロ野球はクライマックスシリーズ(CS)の第1ステージが終わり、昨日から第2ステージが始まった。初戦はともにリーグ優勝した広島と日本ハムが快勝し、1勝のアドバンテージを含めかなり有利な状況になった。きわめて個人的に言わせてもらうと、とてもいい流れになっていると思う。

第1ステージは、セ・パともにいい結果になった。パリーグは、最終盤まで日本ハムと優勝を争ったソフトバンクが連勝で勝ち上がった。敗れたロッテはペナントレースではほとんど優勝争いに絡んでおらず、いくら「下剋上」が得意といっても、こういうチームが短期決戦で勝ち上がって「パの代表」として日本シリーズに出るのは、私のような「中立の野球ファン」には納得がいかない。ロッテファンには申し訳ないが、今回はソフトバンクが勝ち上がるのが正しい流れだったと思う(ロッテが第1ステージで敗退するのは初めてだった。本当に短期決戦での下剋上が得意なチームなんだな)。

セリーグはDeNAが接戦を制して2勝1敗で巨人を破った。ペナントレース終盤のDeNAの勢いと巨人の失速(特に広島にマジックが点灯してからの巨人の連敗、マジック減らしにどんどん「協力」する姿は無残だった)からして、DeNAが勝ち上がった方が面白いと思っていたが、その通りになってくれたのはうれしかった。DeNAはこれまでセパ12球団で唯一CSに進出したことがなく、広島の25年ぶりの優勝に負けず劣らずの念願のCS進出だった。その選手たちの気持ちの高ぶりとファンの熱狂的な後押しで、見事に第1ステージを勝ち上がった(東京ドームの左半分が青一色に染まったあの光景はすばらしかった)。


さて、このいい流れを受けての第2ステージ。ここはやはり優勝チームがそのまま勝ち上がってくれた方がいい。セの広島は、2位以下に圧倒的な差をつけての優勝。「セの代表」にふさわしいのはやはり広島だろう。DeNAは、今シーズンはここまで来れてまずはよし、じゃないか。これで一気に日本シリーズというのはちょっと事がうまくいきすぎだろう。真の優勝争いは来季以降の楽しみとなった方が、流れとしては正しい。

パは、「大谷翔平を日本シリーズでも見たい」この1点で日ハムに勝ってほしい。昨日の第1戦でも好投したが、あの西武との優勝決定試合での快投といい昨日といい、大舞台に強い選手のようだ。二刀流にますます磨きをかける、何十年に一人のスーパースター。こういう選手は当然日本シリーズに出てくるべきだし、さらなる大舞台でさらなる大活躍を見せてほしい。これも「中立の野球ファン」の純なる願いだ。


ここまでの流れを見ると、「野球の神様の見えざる手」に導かれているような気がしてならない。我々野球ファンを最大限に楽しませてくれるために、野球神が粋な計らいをしてくれている、そんな気がするのだ。これが本当なら、日本シリーズは広島VS日本ハムの優勝チーム同士の対決になるが、たぶんそうなるだろう。何せ野球神のお導きがあるんだから。


では、優勝チーム同士の頂上決戦が実現するまでを、じっくりと見つめるとしよう。


posted by デュークNave at 04:56| Comment(0) | スポーツ-野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月02日

日本女子テニス界に現れたパワフルな超新星・大坂なおみ

以前このブログで書いたように(http://keep-alive.seesaa.net/article/155561141.html?1475350219)、私はセリーナ・ウイリアムズ(アメリカ)的なパワーテニスは基本的に好きではない。一番好きなのはシュテフィ・グラフ(ドイツ)のような硬軟を交えたベースラインプレーヤーであり、スリリングなストローク戦こそテニスの醍醐味だと思っている。

しかしそのパワーテニスをやるのが日本人選手であり、目下世界ランキングを急上昇中となると話は違ってくる。東レ・パンパシフィックオープンでツアー初の決勝に進み、惜しくも優勝は逃したものの、昨シーズン終了時には203位だった世界ランクが47位にジャンプアップした、大坂なおみがその人だ。


【 日本人離れしたパワフルなプレースタイル 】

父がハイチ系アメリカ人、母が日本人。大阪で生まれ、ニューヨークとフロリダで育った。今も生活の拠点はアメリカにあるので、話す言葉のメインは英語、日本語は流暢とは言えない。そしてそのプレースタイルも、本人の憧れの存在というセリーナを彷彿とさせる、日本人離れしたビッグサーブとパワフルなストロークが武器だ。

サービスのスピードは最速で200キロを超え、男子並みの破壊力を誇る。そしてストロークは、得意はフォアというが、ダブルバックハンドも非常にパワフルだ。ストローク戦で多少押し込まれても、角度のあるパワーショット一発でエースやウィナーを奪う力強さがある。


【 まだまだ不安定な精神面、これを克服できれば・・・ 】

課題は精神面だ。まだ18歳という若さのせいもあるだろうが、試合中の気持ちの浮き沈みが大きく、安定性に欠ける。全米オープンの3回戦ではファイナルセットで5−1と大きくリードしながら、「メンタルが崩壊して(本人談)」逆転されたし、パンパシの決勝でも、第1セットで相手の元世界1位・ヴォズニアッキがメディカルタイムアウトを取ったことを気にしすぎてペースを乱した。またスロースターターなのか、第1セットはファーストサーブの確率が悪くて苦戦することが多い。

しかし逆に言えば、これだけの不安定要素を残していながら世界ランクを駆け上がってきたということは、それを克服できればさらに上、トップ20やトップ10も十分射程圏内にあるということだ。まだまだ粗削りだが、スケールの大きさを感じさせ、大きな伸びしろを期待できることが、現時点での彼女の最大の魅力だ。

伊達公子の世界ランク4位、ウインブルドン・ベスト4を超えることができるか。大坂なおみのさらなるブレイクに注目したい。



posted by デュークNave at 04:41| Comment(0) | スポーツ-テニス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする