2016年05月15日

「ことわざ練習帳」 (永野恒雄・著)

「ことわざについての本が読みたい、できれば日本だけじゃなく世界のことわざが紹介されているのがいい」と思っていたら、新聞の広告にこの本が載っており、「練習帳」というのが面白そうだと思って手に入れた。私は本をひたすら読んで知識を身に付けるというのは苦手だが、問題形式になっていると抵抗なく読めるのだ(お勉強なら、テキストを読むのは苦痛だが問題演習は苦にしない、という感じ)。

最初はたくさんのことわざが問題形式で出てきて楽しく読めたが、著者がことわざを言語研究の一環としてとらえているため、解説の文章が硬くまじめすぎて、だんだん苦痛になってきた。「ことわざなんだから、もっとユーモアやジョークを交えて書けばいいのに」という思いが募ってきて、途中で読むのをやめようかと思ったほどだ。

しかし何とかめげずに読み続けているうちにまた面白くなり(これは本書の内容というより、ことわざそのものの面白さのおかげだが)、無事読了することができた。ここでは、本書の中で特に面白いと思った箇所をご紹介する。


【1】 ある先生が小学6年生を対象にことわざの授業を行い、「ことわざまじり文」を書かせました。空欄に入ることわざを選択肢から選んで下さい。(答えは文末に)


「ファーブルの昆虫記(1)の感想」
 タマコロガシは、あんな小さな体で、自分の体の二倍もあるようなタマを作るのだからすごい。私たち人間にとっては、〔イ〕ようなことだけど、あんな小さな虫にとっては、たいへんなことだろう。オオフンコロガシは、せっかく作った玉を他の虫によこどりされてしまうことが多いらしい。〔ロ〕だな。タマコロガシもオオフンコロガシも、たいして外見はかわりがないので、大差はないだろうと思っていたら、〔ハ〕で、タマコロガシとは全く違う西洋梨型のタマを作ることがわかった。この本を読んで〔ニ〕だと思った。

「スキー」
 私は、パパとおにいちゃんとおばさんとスキーにいった。私はまだ二度めなのでとてもへただった。でも少しうまくすべれた。けれど油断大敵、ころんでしまった。おにいちゃんは、じょうずで私とくらべて〔ホ〕みたいだった。でもおにいちゃんがころんだ。私は〔ヘ〕だと思った。そして私がまたすべった。〔ト〕、またころんでしまった。だけど私のは、五度あることは六度あるみたいだった。でも、〔チ〕というように、うまくすべれるようになった。そして、最後に一ぺんやった。私は自信たっぷりでやった。そうしたら、小さい山があったので、私はころんでしまった。スキーってまったく油断大敵だと思った。

〔選択肢〕
1 骨折り損のくたびれもうけ  2 人は見かけによらぬもの
3 二度あることは三度ある   4 月とスッポン
5 失敗は成功のもと      6 猿も木から落ちる
7 一寸の虫も五分の魂     8 赤子の手をねじる

※ ちなみに私は、一応全問正解できました。

小学生にことわざの授業をするのは大変有意義な試みだ。これなら子供たちも楽しくできるし、何より「言葉のセンス」が磨かれるのがいい。言葉は文化であり、母国語をこうして使いこなすことは自分の「文化度・日本人度」を高めることになる。こういう授業はどんどんやってほしいものだ。


【2】 下記は、外国のことわざを福沢諭吉が翻訳したものです。この翻訳にはある共通する特徴があります。それは何でしょう。

1. The sleeping fox catches no poultry.
⇒ 朝寝する狐は鳥にありつけず

2. There will be sleeping enough in the grave.
⇒ ねぶたくば飽くまでねぶれ棺のなか

3. Early to bed and early to rise, makes a man healthy, wealthy and wise.
⇒ 早く寝ね早く起きれば知恵を増し身は健やかに家は繁盛

4. At the working man’s house hunger looks in but dares not enter.
⇒ 飢えはよく稼ぎの門を窺えど閾(しきみ)を越えて内にはいらず

5. Plough deep while sluggards sleep and you shall have corn to sell and to keep.
⇒ 人の寝るその間に深く耕して多く作りて多く収めよ

6. Have you somewhat to do tomorrow? Do it today.
⇒ 今日といふその今日の日に働いて今日の仕事を明日に延ばすな

7. The cat in gloves catches no mice!
⇒ メリヤスをはめて道具を扱ふな袋の猫は鼠とりえず

8. Constant dropping wears away stones.
⇒ 滴(したたり)も絶えねば石に穴をあけ


(答え)俳句調(五七五)または短歌調(五七五七七)になっている

英文のことわざを意味を違えずに翻訳するだけでも難しいのに、それを語調のいい俳句・短歌調にまとめるとは! 福沢諭吉の語学力と日本語のセンスには脱帽、「参りました!」って感じだ。


【3】以下は、東京都立一橋高校の生徒たちが創作した格言です(社会科(倫理)の時間に作ってきたものだそうです)。思わずうなる傑作ぞろいなのでご紹介しましょう。(ここは問題形式にはしません)

<おたくというと聞こえが悪いが、通というと聞こえがいい>

<下手な奴ほど説明したがる>

<子どもは親を選べないと言うが、親だって子どもを選べない>

<もうだめだと思うとそこからだめになる>

<見つけても直せないのが欠点である>

<小心者ほどいいわけがうまい>

<愛は一瞬、うらみは一生>

<三人よればいじめの知恵>

<本当に眠い人はもう寝ている>

<三日坊主は四日目になると開き直る>

<バカは風邪ひかない、ひいても信じない>

<ちりも積もれば山になる、人が積もれば歴史になる>

<反戦デモは平和だからできる>

<うそをつきすぎると自分もだませる>

<意見が同じなのではなく、利益が同じなのだ>

最後に傑作を一つ。

<ことわざで人を納得させてはいけない>


若き高校生たちの感性の鋭さに、これも脱帽! <意見が同じなのではなく、利益が同じなのだ>なんて、政治家グループの離合集散で頻繁に起こっていそうな「名言」だ。


この本ではことわざをかなり生真面目に考察しているが、私個人としてはあくまで「言葉遊び」として、パロディやジョークの一環として楽しみたい(【3】の創作名言のように)。ただ、ことわざの歴史や世界での浸透、学校現場で授業の一環として取り上げられていることなど、ことわざに関するさまざまなことを知ることができたのは意義があった。こういう専門家の綿密な研究があるから、我々はこうして手軽に書籍で楽しむことができるのだ。偉大なるプロに、感謝!


P.S. 【1】の答え:イ−8 ロ−1 ハ−2 ニ−7 ホ−4 へ−6 ト−3 チ−5


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2016年05月09日

Happy Birthday to Myself ! 〜「今は雌伏の時」を再認識〜

【 テキトーに起きた早朝からいいものを見せてもらう 】

昨5月8日は私のン回目の誕生日だった(ちなみに沖縄では語呂合わせで「ゴーヤの日」と呼んでいるそうだ。またこの日は、第二次世界大戦でベルリンが陥落した日でもある)。それがちょうど日曜日になり、早寝早起きがモットー、というより体質の私も、休日の前日は世間の習い同様についつい夜更かししてしまう。一昨日は仕事がけっこう遅くなったために夜の時間が圧迫され、入浴のあとの夕食が20:00近くになってしまった。

こうなると当然寝る時間も遅くなる。いつもは3:30にセットしている携帯のアラームをオフにし、床に就いたのは22:00過ぎ。ゆっくり寝て目を覚ますと、DVDレコーダーが何かを録画している。「あれ、何だっけ」とテレビをつけると、テニスのマスターズ1000・マドリードオープンの準決勝、ジョコビッチVS錦織戦だ。第1セットは6−3でジョコビッチ、第2セットもジョコビッチが5−3でリードという局面。ここで錦織は何とかサーブをキープするが、次のジョコビッチの”Serving for the match”であっという間に3ポイントを連取され、3マッチポイントを迎えてしまう。

「こりゃさすがに終わったかな」と思ったここから、試合がもつれる。ジョコビッチがチャンスボールをエラー、ダブルフォルト、ストロークのアンフォーストエラーと3連続失点し、デュースに。このあとも厳しいストロークの応酬になったが、錦織が粘り勝ちしてサービスブレークに成功した。

結局このセットはタイブレークにもつれ込んだ末、ジョコビッチが7−6でものにして決勝進出を決めた。しかし第10ゲームで4度のマッチポイントを凌いだ錦織の粘りもすばらしかった。誕生日の朝一から、いいものを見せてもらった。


【 我が大好物「英雄たちの選択」:同じく大好物のお菓子たちを味わいながら 】

このあと毎週録画しているNHKの「サタデースポーツ」を観、朝食を済ませたあと、録画しておいて楽しみにしていた「英雄たちの選択」を観る。これは私の好きなNHKの歴史番組の中でも一番好きな番組であり、NHKオンデマンドでは毎回必ず観ているのだが、残念ながらNHKプレミアムでの放送なので、録画することができなかった。「だったらBS・CS放送の契約をすればいいじゃないか」と言われそうだが、今は「あること」にお金を集中させたいのでこれ以上コストを増やしたくないし、今の地上波だけでも毎週録画している番組がたくさんあるので(「知恵泉」や「歴史秘話ヒストリア」といった歴史番組、大河ドラマ「真田丸」、「サンデースポーツ」などのスポーツ番組、将棋フォーカス・NHK杯将棋トーナメントといった将棋番組など)、これ以上観る番組を増やしたら収拾がつかなくなると思ってやめているのだ。

その録画をあきらめていた「英雄たちの選択」がNHK総合で深夜に放送されることをたまたま新聞のテレビ欄で知り、喜び勇んで録画した。この大好きな歴史番組を、「バースデースペシャル」として1か月ぶりに自分に許したお菓子たち(せんべい・さきいか・ピーナッツ・サイダーなど)をポリポリゴクゴク味わいながら観る。他人から見たら「アホか」と思われるだろうが、私にとっては至福の時間なのである。

司会はNHKの渡邊佐和子アナウンサーと、歴史家・静岡文化芸術大学教授の磯田道史氏私はNHKBS「BS歴史館」以来の磯田氏の大ファンで、彼の本質をズバリと突いた切れ味鋭いコメントはいつ聞いても痛快だ。この番組も、彼の分析や見解が聞きたくて観ているところ大なのである。

今回のテーマは「大阪の陣・真田幸村 決戦へのジレンマ」。大阪夏の陣で徳川家康に最後の決戦を挑み、家康の本陣に突撃してあと一歩まで詰め寄りながら、及ばず討ち死にした真田幸村(信繁)の、そこに至るまでの葛藤を描いている。この番組の最大の見どころは、主人公の決断の時の選択肢をいくつか挙げ、番組の出演者(歴史家・軍事アナリスト・作家・脳科学者などのその道のプロ)にそのうちの1つを選んでもらい、それぞれの主張を語り合うところだ。今回は真田幸村の大坂夏の陣での決戦を前に、@大阪城を退去 A家康への恭順策を進言 B家康との決戦 の3つの選択肢を挙げ、4人の専門家(今回は脳科学者の中野信子氏、作家の加来耕三氏、評論家の宮崎哲弥氏、防衛省防衛研究所・主任研究官の小谷賢氏)が自分の専門知識を生かして選択肢を選んだ。小谷氏と中野氏はB、宮崎氏はA、加来氏はAを前提にダメなら@という選択。これを詳しく書き記すと膨大な労力を要するので割愛するが、ご存知の通り史実では幸村はBを選び、家康を2度も切腹の覚悟をさせるほどに追い詰めた。関ヶ原の敗戦から14年、不遇をかこっていた幸村の、冬の陣での「真田丸」、そして夏の陣でのこの乾坤一擲の大勝負。武将としてまことに鮮やかな戦いぶり、そして見事な最期である。

小谷氏は「幸村は軍隊なら大佐的な参謀タイプの人」と見る。そして中野氏らは「幸村に政治的なセンスがなかったことが残念」と語る。つまり幸村は戦場での指揮官としての才能は十二分にあったが、上の者を説得する政治能力に欠けていた。そのため彼の主張や進言は、大野治長ら「戦さの戦い方を知らない」豊臣秀頼の側近たちに退けられ、その能力を発揮できなかった、というのである。

なるほど、説得力のある見解だ。それなら幸村は、そんな豊臣を見限って徳川方に寝返ってもおかしくなかったが(事実兄の信幸は関ヶ原の時から徳川方についていたし、家康から幸村にオファーもあったようだ)、幸村は不遇をかこっていた自分に最後の活躍の場を与えてくれた秀頼に強い恩義を感じていたので、最後まで秀頼のために全力で戦った。没後400年経っても「真田幸村」の名が戦国有数のヒーローとして残っているのは、この「義」の精神と、散り際の美しさ、潔さにあるのだ。

やはりこの番組は面白い。今回はレギュラー番組として始まった第1回の再放送だったのだが、今後も毎週放送してくれるのだろうか。だったら毎週録画は必須だな。


【 あとはまた録画番組やスポーツ番組を観ながらテキトーに過ごす 】

このあと、これも毎週録画しているTBS「サンデーモーニング」の後半、NHKEテレ「将棋フォーカス」、「NHK杯将棋トーナメント」を続けて観る。NHK杯は今までは掃除しながら横目で観たりして、あまり真剣に観ることがなかったのだが、先週あたりから通しでずっと観始めた。そして今さらながら気づいたのは、「将棋の対局はチラ見では意味がない。一手一手を観て、解説者のコメントも聞いて、最初から最後まできちんと観て初めて意味があるし、その面白さや魅力も味わうことができる」ということだ。この日に観た橋本八段VS小倉七段戦も、終盤小倉七段が快調に攻め、橋本玉をギリギリまで追い詰めたが、橋本八段が二枚腰の粘りを見せて守り切り、一転して鋭い攻勢に出て、鮮やかに小倉玉を仕留めてしまった(角と龍を続けて切って即詰みに討ち取った豪快な詰め手順には唸った)いつもは難しすぎてわからない感想戦も、この一戦は興味津々で観た。将棋の面白さを堪能できた一局だった。

昼食を取りながら、久しぶりに録画した「ケータイ大喜利」を観る。テリー伊藤が声のお題に出るというので観る気になったんだが、この日の答えで一番面白かったのは、お題「プロ野球。人気アップのためのアイデアに観客が『はあ?』何をした?」の答え「衣笠似の方は何もかも半額」だった。もちろんこれは広島カープのマツダスタジアムだろうけど、相当レアだろうな、こういう人は。

このあと、この記事をまとめるために「英雄たちの選択」をもう一度観る。あとはフジ「みんなの競馬」でGT・NHKマイルカップ、TBSで陸上、NHKで大相撲のスポーツ観戦三昧。夜は定番の大河ドラマ、これを観終わると早々に寝る(「サンデースポーツ」と「マスケティアーズ・パリの四銃士」は時間が遅すぎてリアルタイムでは観れないので、いつも録画を観ている)。結局ほとんど録画番組とテレビ三昧の一日になった。


【 今抱えている「前向きなフラストレーション」 】

若いころは休日にこういう過ごし方をしてもまるで平気だったのだが、今はただテレビを眺めているだけの時間の使い方にフラストレーションを感じている。やはり今の自分には確固たる「目標」ができたからだろう。それを実現させるために、それができない休日をもう少し充実した過ごし方ができないものか、生活全体をもう少し盛り上げられないかと思案しているのだ。

しかし今は目標達成のために「あること」に資金を集中投資しなければならない。とにかく倹約が一番、徳川吉宗ばりの「倹約令」を自分に課さねばならないのだ。だからお金のかかることは厳禁、せいぜい本を買うぐらいに抑えている(先日のスーパーラグビーのチケット5,500円は、今の私にとってはえらい出費なのだ)。酒も一滴も飲んでいないし(別に飲みたいとも思わないけど)、食事も外食することはめったにない(ただこれは今に始まったことではないが)。

こういう「できるだけお金をかけない生活」をモットーにすれば、当然娯楽も減るし、その選択肢も減る。だから生活を大きく盛り上げることはなかなか難しい。しかし、今は仕方がない。「あること」が順調にいけば、じわじわと日々の生活も盛り上がってくるだろう。今の私にとって一番の元気の素は、「あること」がうまくいくことなのだ。今抱えているフラストレーションは、前向きな思考や行動がもたらす「生みの苦しみ」と心得て、日々を過ごしていこう。目標が何もなかったころと比べれば、心の底に「張り」を抱いて毎日を過ごせているのは違いないんだから。


今回は自分のことばかり書いてしまった(誕生日のことをこんなに書いたのは、このブログ始まって以来のことだ)。年に1度のことなのでお許しを!


P.S. 久しぶりだったのでお菓子を買いすぎ、昨日1日では食べきれなかった。誕生日をいいことに、ちょっと自分を甘やかしすぎた。反省!!


posted by デュークNave at 04:46| Comment(0) | 身辺雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする