2016年04月24日

またも「歴史的瞬間」を現場で目撃! 〜スーパーラグビー:サンウルブズ、劇的初勝利〜

またもやラグビーの「歴史的瞬間」を、現場で目撃した。秩父宮ラグビー場で行われた、スーパーラグビー・サンウルブズVSジャガーズ。激しい点の取り合いのシーソーゲームの末、サンウルブズが後半に逆転、最後にはとどめのトライを挙げ、参戦後8試合目にして念願の初勝利を挙げたのだ。


【 降って沸いたスーパーラグビー観戦チャンス 】

もともと私は土曜は仕事なので、すべて土曜日であるサンウルブズの秩父宮での試合はもとから観られないとあきらめていた。ところが昨23日(土)が急に休みになった。これがわかった時はまったく頭になかったのだが、当日の早朝にパソコンを見ていたら、「あれ、今日って秩父宮でサンウルブズの試合があるんじゃなかったか?」と急に思い出した。秩父宮のサイトを調べたらその通りで、「こんなチャンスはめったにない。これは観に行かなきゃ」と、すぐに歩いて1分のセブンイレブンに行った。「こんなビッグイベントのチケットが当日に取れるかな」と不安だったが、マルチコピー機でオーダーしたらすんなり取れた。5,500円とラグビーのチケットとしてはかなり高いが(バックスタンドのA指定席で、記念グッズがもらえる特典付き)、こういう時の出費はケチらないのが私の主義だ。こうしていい席を確保し、早めの昼食を済ませて、勇躍秩父宮へと向かった。

試合開始の1時間半前に着いたのに、正面入口前は大賑わいだった。メインスポンサーのアンケートに答えてステッカーをもらい、記念グッズ交換所でサンウルブズのロゴ入りのクッションを受け取り、バックスタンドへ。席は最上段の1つ前だったが、ラグビー観戦ではこれでも不満はない(全体のフォーメーションがよく見えるから)。客の入りはさすがによく、試合開始時には8割がたが埋まっていた(最終的な観客数は14,940人)。サンウルブズの初勝利を願い、その瞬間を目撃したいファンの熱気が伝わってくる。

相手のジャガーズも、今シーズンからスーパーラグビーに参戦したニューカマーだ。しかしメンバーは去年のW杯でベスト4入りしたアルゼンチン代表を中心としており、かなり手ごわい相手である。


【 シーソーゲーム:なかなか流れをつかみきれないサンウルブズ 】

試合は手に汗握るシーソーゲームになった。開始5分、サンウルブズは敵陣10mライン付近でペナルティをもらい、SOピシがロングPGを決めて先制。しかしその直後の7分、ジャガーズはショートパントをナイスキャッチして敵陣深く侵入、最後は密集サイドを突いて逆転トライを決める。さらに10分には、ドライビングモールで大きく前進したのちに左へ大きく展開、左隅にトライを決めた(S3−10J)。

パワーとスピードで奪われた連続トライ。「前半早々に簡単に連続トライを許すなんて、また負けパターンかな」と一瞬思ったが、当のサンウルブズフィフティーンは全くめげていなかった。20分、相手のペナルティで敵陣に入り、密集を連続支配してじりじりと攻め込む。ここから左に展開し、SOピシの股下を通す巧妙なパスからCTB立川〜WTB笹倉とつなぎ、笹倉が左隅にスーパーラグビー初トライ。ピシが難しい角度のコンバージョンを決めて、サンウルブズが同点に追いついた(S10−10J)。場内は総立ち、スタンディングオベーションでサンウルブズの初トライを称えた。

32分、ピシがハーフウェイ付近からのロングPGを鮮やかに決め、サンウルブズが逆転に成功。しかしジャガーズは直後の34分、右に展開し、得意のショートパントからのキャッチをまたもや決め、再逆転のトライ(S13−15J)。逆転してもすぐ取り返される試合展開で、サンウルブズはなかなか流れを持ってこれない。37分、敵陣左中間からのPGを名手ピシがこの試合初めて外し、逆に終了間際にPGを許す。前半は13−18と5点ビハインドで終えた。


【 得点直後のインターセプトトライ:「負けパターンか」と思ったが 】

後半5分、敵陣22mライン内側でPGを得、FBフィルヨーンが難なく決める。続くジャガーズのキックオフが直接タッチラインを割り、サンウルブズボールのセンタースクラム。これは逆転へのいい流れになってきたと思ったが、スクラムからのサインプレーのパスをインターセプトされ、ポスト下に独走のトライを喫する。もちろんコンバージョンも決まり、この試合で最大の9点差になった(S16−25J)。

再び「これは負けパターンかな」の思いが胸をよぎった。点の取られ方が悪いのだ。しかしここでもサンウルブズの勇者たちはひるまない。しぶとく敵陣に攻め込み、56分、22mライン上のスクラムから右に展開、SOピシ〜CTB立川とつなぎ、カットインしたCTBカーペンターが立川のパスを受け、鮮やかにラインを突破してインゴールに飛び込んだ。コンバージョンをピシが難なく決め、サンウルブズが再び2点差に迫った(S23−25J)。


【 PGの応酬で逆転、再逆転・・・そして歓喜のエンディング 】

66分、敵陣左中間からのPGをピシがきれいに決め、ついにサンウルブズが逆転に成功。しかしその2分後、ジャガーズがPGを返して再逆転。自陣でミスをした方が負けるという厳しいせめぎ合いになった。70分、HOのキャプテン堀江が鋭い突進で敵陣に侵入、密集からのボールにジャガーズがたまらずオフサイドの反則。難しい角度のPGをピシが見事に決め、サンウルブズが再々逆転に成功した(S29−28J)。

残り10分足らずで1点リード。ここからは自陣でミスをせず、いかに敵陣でプレーできるかが歴史的初勝利への方程式になる。73分、自陣10mライン付近でのジャガーズボールのラインアウト。ここでサンウルブズFWはボールホルダーに鋭く絡み、アンプレアブルにしてマイボールスクラムに変える。解説の吉田義人さんが絶賛したナイスディフェンスだった。さらにこのスクラムでジャガーズがコラプシングを犯し、サンウルブズはタッチキックで敵陣深く攻め込む。「歴史的初勝利への方程式」が着々と組み上げられていく。

ここからはピッチと電光掲示板の時計をチラ見しながらの観戦になった。「あと4分…あと3分…あと2分!」残り時間は刻々と減っていく。そしてサンウルブズはここでも「勝利の方程式」を貫き、確実にマイボールをキープするプレーに徹した。79分、WTB笹倉が突進し、FWにつないでインゴールに入ったがキャリーバックで、ポスト右での5mスクラム。吉田義人氏が興奮気味に「できればゴールに近いところでトライを決めて7点入れたいです。7点入ればほぼ勝利を手に入れることができます」と語ったその直後、No.8カークのパスからSOピシが突進、フォローしたCTB立川がポスト下に、勝利を決定づけるトライを決めた。場内は再び総立ちのスタンディングオベーション、そして立ったまま皆座ろうとしない。ピシのコンバージョンが決まったところでノーサイド。日本ラグビーの聖地・秩父宮で、サンウルブズが世界デビュー年に記念碑的な初勝利を挙げた。


この日の早朝にふと思い出し、急きょ駆けつけた秩父宮。そこで目撃した歴史的勝利。これを幸運と言わずに何と言おうか。この幸運への感謝の念と大きな充足感を抱きながら、私は秩父宮を後にした。この興奮と満足感は、帰路もなかなか消えなかった。

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2016年04月17日

「羽生結弦 王者のメソッド」 (野口美惠・著) 

今や押しも押されもしないフィギュアスケート・男子シングルの第一人者、羽生結弦のジュニア時代から現在に至るまでの歩みを、彼の「メソッド」を中心に克明に綴った秀作である。

この作品の読みどころを書き出そうとすると膨大な量になるので、「あとがき」に著者がまとめた彼の「メソッド」をここに引用する。


@ 「言葉にして宣言する」

⇒ 「考えただけじゃ人間の脳は忘れる。口にすることで心に残る」


A 「ちゃんと考えて、課題を見つけて取り組めば、壁を越えられる」

⇒ 敗因・勝因を追求し、課題を見つける。この「振り返り」と「分析」がすべてのメソッドを生み出す原動力


B 「成功したら、いったん喜んでから、次に向かう」

⇒ 成功を連続させる(SPとFSともにいい演技をする)ために、「慢心」や「重圧」を排除する


C 「弱さが見つかって嬉しい」

⇒ 自分の弱さと向き合う勇気があれば、「失敗」だって「伸びしろ」になる


D 「試合のために練習する」

⇒ 何事も、目的意識がない準備は結果に繋がらない


E 「冷静と闘志のバランス」

⇒ 自分の心と対話して、バランスを問う。「闘志は大事だけど、自分に集中することも必要」


F 「ノーミスや順位ではなく、演技中は一つひとつに集中」

⇒ 無意識の欲を捨てるための思考法


G 「応援を味方にすること、感謝すること、信じること」

⇒ 最後の最後には、自分のまわりにあるもの全てを味方につけ、信じる


これらのメソッドは、彼の数々の試合での成功と失敗の中から生まれ、次へのステップにつながっていったものである。

読み終わってつくづく思ったこと:それは、

「スポーツって心の持ちよう、精神状態がこんなに大きく結果に影響するんだな」

という深い感慨だった。そしてその精神を数々のメソッドでコントロールしてきたからこそ、羽生結弦の今があるのだ。


トップアスリートの精神、魂のすごさがズンズン迫ってくる。これはフィギュアスケートファンならず、全てのスポーツファンの必読書だろう。

そしてこの数々のメソッドは、彼のみならず、またスポーツのみならず、全ての人にとって仕事や人生そのものの教訓、道しるべになるのではないだろうか。私も彼のメソッドを心に刻み、我が人生に取り入れていきたいと強く思った。


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2016年04月06日

超ハイレベルだった上位陣の戦い:11年ぶりにメダルを逃した日本勢、来季への課題は 〜フィギュア世界選手権2016・女子シングル〜

SP(ショートプログラム)で6人が70点台をマークするという、すばらしくハイレベルな戦いになった女子シングル。FS(フリー)は、まさに「ミスをした者が負ける」厳しいせめぎ合いになった。


【 ベストパフォーマンスの競演:明暗を分けたのは 】

エレーナ・ラジオノワ(6位):全体的に大きなミスはなく、しっかりとまとめてきた。しかし着氷がスムーズでないジャンプがいくつかあったため、GOEで大きく稼ぐことができず、2年連続の表彰台を逃した。

エフゲニア・メドベージェワ(優勝):シニアデビューの今シーズン、いきなりGPシリーズで優勝・2位、そしてGPファイナルを制覇。この勢い、というよりも安定感で、このFSも見事に滑り切った。GPシリーズと同様、いくつかのジャンプを手を挙げて跳ぶなど、GOEで加点される工夫を随所に組み込んだ演技構成。当然レベルは非常に高くなるが、これをノーミスで演じ切った。得点は150.10、バンクーバー五輪でキム・ヨナがマークした世界最高得点を上回った。

TV解説の荒川静香さんが「今の採点方式の申し子」と言っていたが、「勝つためのプログラム」を組み、それを完璧にこなす技術レベルの高さと安定感、そしてそれをもたらす精神力。16歳、シニアデビューの年に一気に世界の頂点を極めてしまったメドベージェワ。「早熟の天才少女」がこの先どうなるのか、早々に燃え尽きなければいいが、などと余計な心配もしてしまうほどの完成度の高さである。

アンナ・ポゴリラヤ(3位):昨季・今季とジャンプの出来が不安定で、大舞台で実力を発揮しきれずにいた(NHK杯のSPでの乱れは、観ていて気の毒になるほどだった)。しかしロシア選手権で3位に入ってこの大舞台への切符を手にし、SPでも本来の艶のある伸びやかな演技で2位。そしてFSでも、この上昇気流に乗ってすばらしい演技を見せてくれた。この2シーズンの不振を払拭したいという思いが伝わるようで、観ていて感情移入してしまった。覆っていた暗雲を吹き払う、ほぼノーミスの演技。見事に世界選手権初のメダルを獲得した。久しぶりに観た彼女の会心の演技、心から「おめでとう!」と言いたい。

グレイシー・ゴールド(4位):SPを自己最高得点で首位発進。このポジション、そして自国開催。これが背中を押してくれるのか、逆にプレッシャーになるのかと注目したが、上位陣で唯一大きなミスを犯し、表彰台を逃してしまった。冒頭の3-3のコンビネーションでセカンドジャンプで転倒(辛うじて尻もちはつかなかったが、採点では転倒扱いになった)。その後のジャンプでも3回転が2回転になるミスが出た。彼女の場合、SP・FSを通しての安定した演技を続けられないのがネックになっていたが、それがこの大舞台でも出てしまった。SP首位で「アメリカ勢10年ぶりのメダル」と大きな期待がかかったが、この期待が重圧になってしまったようだ。

アシュリー・ワグナー(2位):最終滑走、しかも直前でゴールドが失敗し、唯一残ったワグナーへの自国の観客の期待が大きく膨らんだ。このプレッシャーのかかる中で、それを拭い去る、躍動感あふれるすばらしい演技を披露してくれた。「私は念願の世界選手権のメダルを取るんだ」「このチャンスを絶対に逃さない」そんな気迫が伝わってくる、彼女の持ち味を十二分に生かした、スピード感あふれるダイナミックな演技。大会のフィナーレを飾るにふさわしい、観る者をグイグイ惹きつける見事な「作品」を見せてくれた。


【 11年ぶりにメダルを逃した日本勢:来季への課題は 】

期待の日本勢は、宮原知子5位、浅田真央7位、本郷理華8位と、全員が入賞はしたものの、11年ぶりにメダルを逃す結果となった。決して彼女らの出来が悪かったわけではない。浅田はSPでミスが出たもののFSではまとめてきたし、宮原と本郷はSP・FSとも大きなミスはなく、ともに前回の得点は上回った。

ほぼノーミスの演技をしながら表彰台を逃した、これは何を意味するか。技術・表現力とも、今の演技レベルをさらに上げないと、世界のトップを捕らえることはできないということだ。ジャンプ構成のレベルを上げるとともに、5コンポーネンツ(演技構成・表現力)をより磨く。優勝のメドベージェワと2位のワグナーの5コンポーネンツが70点台だったのに対し、宮原と本郷は60点台にとどまっている。これからは表現力を含めた総合力がより求められることになるだろう。


男子の「4回転戦争」も熾烈だが、女子の「総合力戦争」も苛烈を極めている。選手にとっては非常に厳しい戦いだ。この最高峰を争う戦い、来季も目が離せない。


P.S. 今回のTV解説に、初めてゲストとして橋大輔さんが出演していた。それぞれの選手の演技後に彼がコメントするのだが、このコメントがよかった。「ずっと見ていたいなという演技でしたね」「最初から最後までどんどん引き込まれましたね」「観ていて泣きそうになりましたよ」「もう点数関係ない、このプログラムを見れてよかったという感じですね」など、聞いているこっちも感動してしまう名コメントをたくさん聞かせてくれた。現役時代も情感あふれるアーティスティックな演技で観衆を魅了してきた橋さんだが、このコメントも彼の演技そのままの情感たっぷりで、聞いていて感動したし、気持ちよかった。来季のビッグイベントには、ぜひまた再登場を願いたいものだ。


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2016年04月03日

フェルナンデスの「キャリア最高傑作」に羽生結弦「参りました」〜フィギュア世界選手権2016・男子シングル〜

SP(ショートプログラム)での羽生結弦の完璧な演技、そして2位フェルナンデスに12点以上の差をつけたのを見て、「これはフリーがボロボロにならない限り、羽生の王座奪還は決まりじゃないか」と思った。しかしフェルナンデスに逆転の連覇をもたらしたのは、羽生がボロボロになったからではなく、フェルナンデス自身のすばらしい芸術作品、最高傑作の演技だった。

【 「至高のピーク」のあとの下降線を取り戻せなかった? 羽生結弦 】

羽生のフリーの出来は確かによくなかった。冒頭の4サルコウで手をつき、後半の4サルコウは転倒。その他のジャンプでも着氷がやや乱れたジャンプがあり、演技の流れが今一つだった。得点はGPファイナルで挙げた世界最高得点よりも30点以上下回った。ボロボロとまではいえないが、王座奪還には不安な得点に終わった。

彼に何があったのかは知る由もないが、NHK杯・GPファイナルでSP・FSとも世界最高得点を連発し、あまりの「至高のピーク」を一度迎えてしまったため、それ以降は精神的にも調子の面でも下降線を辿っていたのではないか。去年の暮れの全日本選手権では優勝はしたもののミスを連発し、その下降線を完全には克服できないままに迎えた世界選手権だったのかもしれない。しかし精神的に非常に強く、どんな結果でも自分の糧とすることができる彼のこと、この「悔しい銀」もまた来シーズンへの成長の糧にしてくれるだろう。

【 フェルナンデス、連覇をたぐり寄せた「最高傑作」】

かたやディフェンディングチャンピオン、羽生のチームメイトでありライバルでもあるフェルナンデスは、私が知る限りの彼のベストパフォーマンスを見せてくれた。すべてのジャンプが完璧(冒頭の4トゥループと後半の4サルコウはGOE+3.00、満点の加点を受け、GOEトータルはなんと23点以上)、ステップ、スピンも躍動感にあふれ、魅惑のエンターテインメントショーを披露してくれた(興奮したアメリカの観客は演技が終わる前から立ち上がり、満場のスタンディングオベーションで彼の「芸術作品」を称えた)5コンポーネンツも、ジャッジの採点はほぼすべての要素において9.50以上で、「振付/構成」と「曲の解釈」では10.00のフルマーク。合計98.36は、GPファイナルでの羽生の98.56に迫る、究極の高得点だ。

もともと明るくダイナミックなプログラムを得意とする選手だが、今回はスペイン人らしい陽気さと情熱を前面に出した、彼の持ち味を存分に生かせるプログラムであり、これがジャンプの完璧な出来と相まって、彼の「キャリア最高傑作」に昇華した。羽生結弦が彼に両手を挙げて「参りました」と頭を下げたのもむべなるかなである。羽生・宇野の日本勢を当然応援していた私だったが、この「傑作」を目の当たりにしては素直に讃えるしかない。世界一にふさわしい、すばらしい作品を見せてくれたフェルナンデスには、ただ「おめでとう、そしてありがとう」の言葉を贈るのみである。

【 踏み止まった宇野昌磨、日本男子に再び「3枠」をもたらす 】

同世代の「シニアデビュー」ライバルは、やや明暗を分けた。ボーヤン・ジン(中国)は、得意の4ジャンプを完璧ではなかったが大きなミスなく決め、初出場の世界選手権で見事に表彰台に昇った。かたや宇野昌磨は、冒頭の4トゥでステップアウトし、後半の4-2コンビネーションでは転倒し(しかも4トゥのリピートになって基礎点が減点)、フリーでは6位に終わった。演技終了直後の呆然とした表情が物語る通り、向上心の非常に強い彼のこと、まったく満足のいかない出来だっただろう。

しかし後半の4トゥで、体にダメージがあったのではないかと思うほど激しく転倒しながら、直後の3アクセルをきれいに決めるなど、試合を大きく崩すことはなかった。総合7位に踏み止まり、羽生との順位の合計が9となったため、来年の世界選手権の日本男子の出場枠は再び「3」を取り戻した。この意味でも、彼本人の将来のためにも、この大舞台での最後の踏んばりは大きな価値がある。今や羽生に続く「日本男子ナンバー2」といっていい宇野昌磨、この強い精神力と向上心を持った若き才能あふれる逸材から、目を離すことはできない。


posted by デュークNave at 06:13| Comment(0) | スポーツ-フィギュアスケート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする